4月4日付
『ブライトバート』オンラインニュース:「マクマスター氏、国家安全保障担当顧問として最後の仕事でロシア非難の演説」
ハーバート・マクマスター国家安全保障問題担当大統領補佐官(55歳、米陸軍中将)は4月3日、同職を退く最後の機会において、ウラジーミル・プーチン大統領(65歳)は、他国へのサイバー攻撃等の新しい形での闘争に勝利しようと企んでいると非難する演説を行った。
同補佐官は、大西洋評議会(1961年設立の国際外交分野の米シンクタンク)主催のエストニア・ラトビア・リトアニア首脳歓迎夕食会に出席し、ロシアの修正主義的かつ弾圧的な対外政策によって、米国の民主主義、政府機関の業務等が毀損されようとしているとも言及した。...
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4月4日付
『ブライトバート』オンラインニュース:「マクマスター氏、国家安全保障担当顧問として最後の仕事でロシア非難の演説」
ハーバート・マクマスター国家安全保障問題担当大統領補佐官(55歳、米陸軍中将)は4月3日、同職を退く最後の機会において、ウラジーミル・プーチン大統領(65歳)は、他国へのサイバー攻撃等の新しい形での闘争に勝利しようと企んでいると非難する演説を行った。
同補佐官は、大西洋評議会(1961年設立の国際外交分野の米シンクタンク)主催のエストニア・ラトビア・リトアニア首脳歓迎夕食会に出席し、ロシアの修正主義的かつ弾圧的な対外政策によって、米国の民主主義、政府機関の業務等が毀損されようとしているとも言及した。
同補佐官の分析によれば、ロシア政府は、米国他の重要な選挙への介入、北大西洋条約機構(NATO)へのサイバー攻撃に始まって、米航空機への危険な進路妨害や英国で発生したロシア元スパイの暗殺未遂事件に至るまで、様々な手段で西側諸国に打撃を与えようとしているとしている。
一方、ドナルド・トランプ大統領(71歳)がプーチン大統領に再選の祝辞電話をしたことや、その際に同大統領をホワイトハウスに招待したことについて非難の声が上がっている。
これに対して、同補佐官は、ロシア元スパイ暗殺未遂事件に関わってすぐさまロシア外交官60名の追放したことや、米大統領選へのロシア介入容疑を理由に対ロシア追加制裁を決定したこと、更には、欧州防衛イニシャティブへの割当て予算増額、そしてロシアのサイバー攻撃への対抗政策増強等、トランプ政権が行った施策について称賛する旨言及している。
同日付フランス『フランス24』オンラインニュース(『AFP通信』配信):「退官するマクマスター大統領補佐官:米国はもっとロシアに厳しく当るべきと発言」
マクマスター大統領補佐官は4月3日晩、同職最後の仕事としてバルト三国首脳の歓迎会の席上で挨拶し、ロシアによるバルト三国含めた他国への様々な攻撃について非難する発言を行った。
同補佐官は特に、英国で発生したロシア元スパイ暗殺未遂事件に関連して、ロシアが開発したとされる使用禁止神経剤が使われた点を強調し、自国の国益に反するものは遠慮なく排除するという謀略であると言及した。
また、ダン・コーツ国家情報長官(74歳、インディアナ州選出の共和党上院議員)も4月4日、同暗殺未遂事件は重要な事態であり、今こそロシアに対して追加制裁等の対応を取る必要があると語っている。
同日付英『ザ・テレグラフ』紙:「トランプ大統領の安全保障担当補佐官、ロシア元スパイ暗殺未遂に関わりロシア自身が化学兵器禁止機関理事会開催を招集する程“自信を深めてしまっている”と警告」
マクマスター大統領補佐官は、退官前の最後に講演し、ロシア陰謀とされている英国で発生したロシア元スパイ暗殺未遂事件に関し、ロシア自身が化学兵器禁止機関(OPCW、注後記)理事会を招集する程、自国の政策に“自信を深めて”しまっていると発言した。
同補佐官によると、ロシア国益に反する対象に対して、手段を選ばずに攻撃等を仕掛けてきていることは明らかなのに、残念ながら西側諸国はそれを究明するに足る程の人・費用等を掛けていないと憂いた。そして、ロシアによる米国やその他西側諸国に対する攻撃(偽情報の拡散やサイバー攻撃等)は、更に継続・増強される恐れがあると警告した。
なお、ロシア政府は、自身が開催を求め4月4日に開かれるOPCW理事会において、20に上る質問・疑問点を上げて、ロシア元スパイ暗殺未遂事件にロシアが関与しているとの欧米諸国の糾弾を完全否定しようとしている。
一方、英国防省傘下の国防科学技術研究所のゲリー・エイクンヘッド所長は、使用されたのがノビチョク神経剤(1971~1993年、旧ソ連・ロシア政府が開発した化学兵器)であることは特定できたが、それがどこで作られて英国に持ち込まれたのか等は調べようがないとコメントしている。
(注)OPCW:1993年署名、1997年発効の化学兵器禁止条約(締約国192ヵ国)に基づき組織された国際機関。化学兵器の禁止と拡散防止のための世界的な活動を目的とする。本部はハーグ(オランダ)。
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