中国の国家統計局は17日、2018年第1四半期の経済成長率が6.8%となったことを発表した。3期連続同じ成長率となり、同局は、米国との貿易摩擦によっても、中国経済の安定した発展には影響は無いだろうとの見方を示した。
国家統計局が17日に発表した1~3月期の同国の国内総生産(GDP)の伸びは、物価変動の要素を除いた実質ベースで前年同期比6.8%の増加だった。中国が2018年の年間経済成長率の目標としている6.5%前後という数字や、アナリストらの予想の6.7%などを上回り、3期連続で同じ伸び率となっている。米国との貿易戦争の兆候や大気汚染問題への対応など、懸念点の噴出にも関わらず、中国経済の底堅さを改めて示した形となった。
国家統計局は、「中国経済は堅調で健全な発展の勢いを維持している。経済実績は引き続き改善しており、良いスタートが切れた。」とコメントしているが、さらに米国との対立が激しくなり、輸出の見通しが不透明となったとしても、中国経済の安定した成長の傾向には変化は生じないだろうとの見方を示した。
第1四半期の消費財の小売売上高は9兆275億元で、前年同期比9.8%増と予想を超えた伸びを示し、都市部、地方に分けて見ると、それぞれ前年同期比9.7%増、10.7%増だった。中国の14億の人口による旺盛な個人消費は、第1四半期の経済成長の約8割を支えている。同国政府は、貿易摩擦による輸出減少などのリスクがあっても、膨大な個人消費によって経済が持ち直す、その弾力的な強い回復力に期待している。
アナリストらは、貿易摩擦を巡る緊張関係は、未だ経済に対する実質的な影響をもたらしていないと見ているが、今後数カ月でトランプ米大統領の宣言どおり、米国が関税を適用し、中国が報復で応じた場合には、状況が変化し、両国経済の成長に大きな足かせとなる可能性があるとしている。お互いに課すとしている関税は、中国製品に対し1,500億ドル、米国製品に対し500億ドルだ。
中国政府の強気の見通しの一方で、金融リスクの抑制策や工場の閉鎖などの環境汚染対策の強化、負債削減のための地方政府によるインフラプロジェクトの削減などにより、一般的には、中国経済の勢いは、今後次第に弱まるものと予想されている。
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