【Globali】
ロシア経済改革、年金受給年齢と付加価値税の引き上げ(2018/06/18)
6月14日木曜日、サッカーワールドカップの開始直前、ロシアのプーチン大統領が、5月の通算4期目の任期を始動して以来初となる大規模な経済改革を打ち出した。メドベージェフ首相が閣議で、男性の年金受給年齢を段階的に2028年までに、60歳から65歳に引き上げ、女性の年金受給年齢も55歳から2034年までに63歳に引き上げられることを発表した。メドベージェフ首相は、この改革のおかげで年金を「インフレ水準を上回る額に引き上げる追加的手段が与えられる」と付け加えた。
女性55歳、男性60歳という世界的に見ても低い定年年齢は、ソビエト時代の1932年に設定されたもので、約90年の間変更が加えられたことはなかった。また、ロシア市民の最大30%は、一部のカテゴリーでの特例制度のおかげで公式な定年年齢よりも早く定年退職することが可能だ。しかし、現実には、非常に限られた年金しか受給できないため、多くのロシア人は、定年退職後も長く働き続けている。
ロシアの人口は、出生率の低下の影響で、1992年の1億4870万人近くをピークに、その後は減少傾向で推移しており、若い労働者が不足している。...
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女性55歳、男性60歳という世界的に見ても低い定年年齢は、ソビエト時代の1932年に設定されたもので、約90年の間変更が加えられたことはなかった。また、ロシア市民の最大30%は、一部のカテゴリーでの特例制度のおかげで公式な定年年齢よりも早く定年退職することが可能だ。しかし、現実には、非常に限られた年金しか受給できないため、多くのロシア人は、定年退職後も長く働き続けている。
ロシアの人口は、出生率の低下の影響で、1992年の1億4870万人近くをピークに、その後は減少傾向で推移しており、若い労働者が不足している。反面、ソビエト連邦崩壊後一時低下傾向にあった平均寿命は最近ではまた上昇し始めている。このような爆発的な状況の中、定年年齢が引き上げられるだけでなく、食品、子供用製品および医療機器を除いた、付加価値税率も、今回、18%から20%に引き上げられることとなった。
しかし、ロシアの通信社スプートニクによると、オンライン署名サイト「Change.org(チェンジドットオルグ)」では、ロシアの年金受給年齢の引き上げに反対する請願書に、106万6793人の署名が集まったという。反対の理由として、ロシアの大部分の地域で、今回引き上げられる年齢まで人々が生きていないこと、男性の40%及び女性の20%が65歳までに死んでしまうことを挙げている。
プーチン大統領は、2024年までの第4期目の間に、平均寿命を伸ばし、人口減少に歯止めをかけ、貧困を半減させることを公約している。
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