研究は、米国科学振興協会の査読ジャーナルである「サイエンス・アドバンセズ」に掲載された。研究のコーネル大学のイヴァン・ルーディック共同著者は、「国立公園は自然のままの風景の象徴となっているが、健康に有害なレベルのオゾン濃度に達している」と述べる。
アイオワ州立大学とコーネル大学の研究者らは、オゾン濃度がわずかに上昇した場合には2%近く、汚染が進んでいる期間は少なくとも8%、訪問者数が減少したと報告している。...
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研究は、米国科学振興協会の査読ジャーナルである「サイエンス・アドバンセズ」に掲載された。研究のコーネル大学のイヴァン・ルーディック共同著者は、「国立公園は自然のままの風景の象徴となっているが、健康に有害なレベルのオゾン濃度に達している」と述べる。
アイオワ州立大学とコーネル大学の研究者らは、オゾン濃度がわずかに上昇した場合には2%近く、汚染が進んでいる期間は少なくとも8%、訪問者数が減少したと報告している。大気汚染による視界の悪さよりも訪問者の健康の方が懸念されている。
「オゾン濃度が高い日には訪問者は少なくなる。オゾン濃度が訪問者減少を引き起こすことを完全に証明はしないものの、非常に示唆的である。」とルーディック氏は語る。公園内のスモッグの一部は、都市部からの流入や車によるものだろうと述べた。
暖かく晴れた日には地表レベルでスモッグと呼ばれるオゾンが発生し、自動車やトラックの排気管、発電所、工場の煙突からの化学物質と結合してより有害となる。
オゾンは喘息発作を悪化させ、呼吸困難を引き起こす可能性がある。太陽の有害な紫外線から地球上の生命を守る成層圏中の「良い」オゾンとは異なるものだ。
研究者は、規模の大きい33の国立公園内のオゾン濃度を調査した。1990~2014年における国立公園内の平均オゾン濃度は、ニューヨーク、ロサンゼルス、シカゴなど20の大都市圏とほぼ同じであった。
ロサンゼルスの約200マイル北にあるセコイア国立公園では、2年を除いては、1996年以降毎年、都市部よりもオゾンレベルが高かったことがわかった。
1990年代に大気汚染に関する規制が施行されて以来、全国的に大気汚染は改善してきたが、多くの国立公園の空気の質は、特に敏感な人々にとっては、年間平均して2.5~3週間はきれいではないとみなされている。
国立公園局は、毎年3億人以上の来場者を惹きつけている公園での高レベルのオゾン濃度と視界の悪さに対する懸念を提起している。
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