パレスチナ当局は先週、イスラエルが最長8年にわたって差し止めていたパレスチナ自治区宛ての郵便物、約10.5トンが引き渡され、同自治区内の郵便局の従業員が仕分け作業を行っていると発表した。
パレスチナ当局が14日に明らかにしたところによれば、郵便物は、2010年から今年にかけて、隣国ヨルダンを経由してパレスチナ自治区のヨルダン川西岸地区に入らないよう差し止められていたものであり、イスラエルが一時的にこの措置を解除した。
イスラエルは同自治区のすべての国境を管理しており、郵便物は先ずイスラエルを通過し検査を受ける。イスラエルは国境で人や物資の通行を制限しており、これによりパレスチナ自治区の住民の移動の自由は束縛され、日常生活や経済活動が妨げられている。...
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パレスチナ当局が14日に明らかにしたところによれば、郵便物は、2010年から今年にかけて、隣国ヨルダンを経由してパレスチナ自治区のヨルダン川西岸地区に入らないよう差し止められていたものであり、イスラエルが一時的にこの措置を解除した。
イスラエルは同自治区のすべての国境を管理しており、郵便物は先ずイスラエルを通過し検査を受ける。イスラエルは国境で人や物資の通行を制限しており、これによりパレスチナ自治区の住民の移動の自由は束縛され、日常生活や経済活動が妨げられている。
パレスチナのアラム・ムーサ通信・情報技術相は声明で、イスラエルが郵便物の配送を差し止め、郵便サービスに関する合意の履行を遅らせていると非難した。合意は2016年に成立し、イスラエルの国境での検査なしに、パレスチナ人が郵便物を直接受領することを認めている。一方、イスラエル当局は、郵便物が引き渡されたことを認め、合意は履行されていると述べたが、詳細についてはコメントしなかった。
ヨルダン川西岸地区の都市エリコの仕分けセンターに届けられた郵便物には、普通の手紙から医薬品、エルサレムやガザ地区の大学宛ての本、子供用のおもちゃ、体が不自由な人のための車椅子まである。一部は破損したり、宛先が不明瞭であったりして、配送が困難なものもあるという。
同センターでは、数百もの袋が積み重ねられ、息苦しくなるような夏の暑さの中で仕分け作業が行われていた。責任者のラマダン・ガザウィ氏は、郵便物は世界中から送られてきているが、パレスチナ人がネットで注文し、未着のものが多いと説明した。車椅子に付けられた注意書きには、2015年にトルコから送られ、ガザ地区宛てと記されていた。
ガザウィ氏は、安全上の理由で差し止められたものもあるが、行政上の理由によるものもあると理解していると述べた。同氏は、「イスラエルは数日前、ヨルダンで差し止められていた10トン超の郵便物を引き渡した。」と説明し、スタッフにより全ての郵便物が仕分けられ、受取人に配達されるまでには、さらに2週間かかるだろうとの見通しを示した。
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