今年上半期、イギリスの振り込み詐欺被害額が5億ポンド(740億円)に達し、銀行の対策強化が求められている。詐欺被害の3件に2件は、オンライン上の架空の商品やサービスへの支払いだったという。銀行員や警察官等へのなりすましの被害は、3千件超だった。
9月24日付英国
『BBC』は「国内銀行からの振込詐欺被害500億ポンド」との見出しで以下のように報道している。
貿易協会「UKファイナンス」によると、2018年前期で、イギリスの顧客銀行口座から盗み取られた被害金額が5億ポンド超となった。このうち1億4500万ポンドは、騙されて別口座へ振り込みを行う、いわゆる振り込み詐欺による被害だった。一方、3億5800万ポンドは、名義人が気づかぬうちに送金されていたものだったという。...
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9月24日付英国
『BBC』は「国内銀行からの振込詐欺被害500億ポンド」との見出しで以下のように報道している。
貿易協会「UKファイナンス」によると、2018年前期で、イギリスの顧客銀行口座から盗み取られた被害金額が5億ポンド超となった。このうち1億4500万ポンドは、騙されて別口座へ振り込みを行う、いわゆる振り込み詐欺による被害だった。一方、3億5800万ポンドは、名義人が気づかぬうちに送金されていたものだったという。この場合、通常銀行から補償されるが、 現行法では、騙された名義人の認証済みで振り込まれた場合は被害額は戻って来ない。オンライン上で実在しない商品やサービス(車や旅行が多い)を騙されて買うこの振り込み詐欺の報告件数が、2018年前期最高となった。これは、決済での架空の商品、。
また、銀行職員や警察官などに成りすました人物が振り込みさせる、なりすましの被害は、3,866件であった。
通常口座から振り込みを行う場合、名前、口座番号、種類コードの3種類を入力するが、銀行側は、口座番号、種類コードの2つしか照合しない。当局は消費者に以下をアドバイスしている。
・暗証番号やパスワードなどセキュリティの詳細を他人に教えない。また、メール、テキストメッセージ、電話を信用しない。
・急いで振り込まない。実在する組織は振込みを急かしたりしない。直感に従い、常識を見極める。冷静に、パニックを起こさず、後悔する決断はしない。
貿易協会の経済犯罪部長は、今回の被害総額から、これは「英国の大きな脅威であり、資金テロにつながるもの。」としている。また振り込め詐欺の3件に2件は金融機関が未然に阻止したとする。一方、消費者団体は、銀行側の努力が足りないと指摘している。
同日付英国『AOL』は「5億ポンドの振り込み詐欺被害、銀行の対策強化が求められる」との見出しで以下のように報道している。
貿易協会「UKファイナンス」によると、今年上半期、詐欺被害額が5億ポンド超、うち1億4500万ポンドが騙されて別口座へ振り込みを行う“振り込め詐欺”による被害で、億5800万ポンドは、自ら振り込んだものでなく、名義人が気づかぬうちに送金されていたものだたった。気づかぬうちに送金されたものは補償対象だが、認証送信(APP)の場合は法的保護の対象とならず、補償はない。このAPPによる1億4500万ポンドのうち、3億900万ポンドは補償され顧客に返されたという。
詐欺被害の3件に2件で起きた振り込め詐欺は、オークションサイトやソーシャルメディアなどのオンライン上の取引主に、商品やサービス(車や貸別荘)の料金を事前に支払う形の詐欺であった。成りすまし詐欺では、警察や銀行員などに多額の送金をさせられる振り込み詐欺が目立った。
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