米アルファベット傘下のグーグルは16日、欧州連合(EU)域内で販売される携帯端末に関して、同社のアプリを搭載する端末メーカーに対し、ライセンス料を課金することを発表した。
EUの執行機関である欧州委員会は7月、グーグルがスマートフォンやタブレット端末について、携帯端末用の基本ソフト(OS)「アンドロイド(Android)」の市場における優位性を利用して自社の検索エンジンやブラウザーの使用を促し、競合他社を実質締め出しているとして、EU競争法(独占禁止法)に違反したと判断した。
欧州委員会は同社に対し、過去最高の43億4,000万ユーロ(約5,700億円)の制裁金支払いを命じるとともに、90日以内にこうした反競争的なビジネス慣行をやめるよう改善を求め、これに従わない場合には、1日当たりの売上高平均額の最高5%をさらに制裁金として科すと通告した。...
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EUの執行機関である欧州委員会は7月、グーグルがスマートフォンやタブレット端末について、携帯端末用の基本ソフト(OS)「アンドロイド(Android)」の市場における優位性を利用して自社の検索エンジンやブラウザーの使用を促し、競合他社を実質締め出しているとして、EU競争法(独占禁止法)に違反したと判断した。
欧州委員会は同社に対し、過去最高の43億4,000万ユーロ(約5,700億円)の制裁金支払いを命じるとともに、90日以内にこうした反競争的なビジネス慣行をやめるよう改善を求め、これに従わない場合には、1日当たりの売上高平均額の最高5%をさらに制裁金として科すと通告した。
今回のグーグルの措置は、欧州委員会の決定に対応するものである。同社は9日に、決定を不服としてEU司法裁判所に提訴していたが、提訴期間中はメーカーに課金することでEU側の意向に従うこととし、さらに多額の制裁金が追加されることを回避するために、取りあえず譲歩した形だ。
グーグルの措置は、具体的には、同社のアンドロイド端末向けアプリの配信元である「グーグルプレイ(Google Play)」ストアへのアクセス、電子メールサービス「Gメール(Gmail)」、動画投稿サイト「ユーチューブ(YouTube)」などの一部のアプリの利用について有料化する。29日から実施され、28のEU加盟国とアイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェーから構成される欧州経済地域(EEA)の各国が対象となる。
韓国のサムスン電子、中国の華為技術(ファーウェイ)などのアンドロイド端末メーカーは、今後ライセンス料を払う必要があるが、一方でその場合には、グーグルの検索ソフトやブラウザーを端末に予め搭載しなくても良い。マイクロソフトなどグーグルの競合会社のアプリを使用することもできるようになり、自由度が高まる。
グーグルは、メーカーが望めば、引き続き無料でグーグルの検索エンジンやブラウザーを搭載すること、また初めてOSにアンドロイドではなく、アマゾンの「ファイア(Fire)」など、アンドロイドから派生した競合他社の製品を搭載した端末の販売も認めた。
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