10月19日、ドナルド・トランプ大統領は、ネバダ州のエルコを訪れた際に、ロシアが長年にわたり中距離核弾道ミサイル撤廃条約(INF)に違反していることを理由に、同条約から離脱することを表明した。
この条約は、1987年に米国のロナルド・レーガン大統領とソビエト連邦のミカエル・ゴルバチョフ書記長の間で調印された核兵器撤廃に向けた歴史上、重要な取り組みであった。 ソビエト連邦崩壊後は、多国間条約となっている。
国連によると、INF条約は核弾道ミサイルを所有する互いの2国間での弾道ミサイルと巡航ミサイルのうち、射程距離が500kmから1000kmの範囲のものと1000kmから5500kmの範囲にあるミサイルの撤廃を義務づけるものである。...
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この条約は、1987年に米国のロナルド・レーガン大統領とソビエト連邦のミカエル・ゴルバチョフ書記長の間で調印された核兵器撤廃に向けた歴史上、重要な取り組みであった。 ソビエト連邦崩壊後は、多国間条約となっている。
国連によると、INF条約は核弾道ミサイルを所有する互いの2国間での弾道ミサイルと巡航ミサイルのうち、射程距離が500kmから1000kmの範囲のものと1000kmから5500kmの範囲にあるミサイルの撤廃を義務づけるものである。
米国大統領は、ロシアが射程距離500kmを超える9M729型ミサイルを配備していることに着目し、これは明らかにINF違反であるとロシアを非難し、これに対抗するため米国のINF条約からの離脱を決定したという。
米国のINFからの離脱発表を受けて、ロシアの副外務大臣のセルゲイ・リアブコフは「この米国の決定は、とても危険極まりなく、国際社会の理解を得られず、厳しい非難の的になるだろう。」と表明している。
これまで米国とロシアで数十年間にわたって築き上げてきた核軍縮の流れを断ち切る今回の米国のINF離脱、これに対抗する国連を中心とした国際世論の力が試される時が来ているものと思われる。
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