安倍晋三首相が2016年12月にハワイ真珠湾を慰霊訪問した際、現職首相として初の訪問と発表してしまったが、後に、吉田茂首相(1951年)、鳩山一郎首相(1956年)、岸信介首相(1957年)に続いて4人目だったことが判明し、慌てて“現職大統領(バラク・オバマ氏)と一緒の慰霊は初”と付け加えていた。今回同首相は、真珠湾攻撃から2ヵ月後に旧日本軍が急襲した豪州ダーウィンを現職首相として戦後初の慰霊訪問しているが、現職の豪州首相(スコット・モリソン氏)を伴っての訪問であり、かつ、外電が報じていることでもあるので“現職首相の初訪問”で間違いはないとみられる。
11月16日付英
『ロイター通信英国版』:「安倍首相、旧日本軍が空爆したダーウィンを現職首相として戦後初の訪問」
安倍晋三首相(64歳)は11月16日、第二次大戦中に旧日本軍が爆撃した豪州北部のダーウィンを現職の首相として戦後初めて慰霊訪問した。
1941年12月に旧日本軍がハワイ真珠湾を急襲した2ヵ月後の1942年2月、旧日本軍空軍が同市を空爆している。
豪州戦争記念館(所在地は首都キャンベラ)資料によると、最初の2度の空爆で約250人が犠牲になり、また、戦艦・戦闘機や軍施設などが被害に遭ったという。...
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11月16日付英
『ロイター通信英国版』:「安倍首相、旧日本軍が空爆したダーウィンを現職首相として戦後初の訪問」
安倍晋三首相(64歳)は11月16日、第二次大戦中に旧日本軍が爆撃した豪州北部のダーウィンを現職の首相として戦後初めて慰霊訪問した。
1941年12月に旧日本軍がハワイ真珠湾を急襲した2ヵ月後の1942年2月、旧日本軍空軍が同市を空爆している。
豪州戦争記念館(所在地は首都キャンベラ)資料によると、最初の2度の空爆で約250人が犠牲になり、また、戦艦・戦闘機や軍施設などが被害に遭ったという。
慰霊訪問に随行したスコット・モリソン首相(50歳、自由党々首)は、両国間にはかつて悲惨な歴史があったが、重要なことは現在の友好関係を今後更に強化していくことだとコメントしている。
安倍首相も、これまでの多くの両国民の努力によって、現在の友好関係が築かれているとした上で、今後も強力なパートナーシップを推進していくと表明した。
日豪両国は、中国が一帯一路経済圏構想の下で影響力を増大している太平洋及びインド亜大陸において、協力して投資等を促進していくことによってこれに対抗していくことで合意している。
なお、安倍首相は、日豪連携の一環で、日本の海外投資額として最大の400億ドル(約4兆5,200億円)が投じられたイクシス天然ガス開発プロジェクト(豪州北西沖合の大規模液化天然ガスプロジェクト、操業主体は国際石油開発帝石株式会社)からの生産物の初出荷式典に立ち会う。
11月17日付米『Foxニュース』(『AP通信』配信):「安倍首相、旧日本軍戦没者が眠るダーウィン慰霊廟を訪問」
安倍首相は11月16日、モリソン首相との会談予定もあって豪州北部のダーウィンを訪問したが、日本の現職首相として戦後初の同地訪問となる。
当日、両首相は、旧日本軍の空爆で犠牲になった240人の犠牲者を追悼した。
また、安倍首相は11月17日、ダーウィンに設けられた旧日本軍兵士80人の慰霊廟を訪問し献花した。
1942年1月、旧日本軍と豪州軍が戦火を交えた際、旧日本軍の伊号第124潜水艦がダーウィン北西の60マイル(90キロメーター)沖合で沈められ、乗員80人が犠牲になった。そして、旧日本軍はその1ヵ月後、ダーウィンを空爆している。
安倍首相は、2016年12月にバラク・オバマ大統領(当時)と共にハワイ真珠湾を慰霊訪問しており、今回のダーウィン訪問も、第二次大戦に関わった日本の悔恨を示す行動と言われている。
なお、同首相は11月17日中に豪州を離れ、アジア太平洋経済協力会議(APEC)が開催されるパプアニューギニアに向かった。
同日付豪州『ABCニュース』:「安倍晋三首相、第二次大戦中にダーウィンで犠牲になった“忘れられた”戦没兵士を追悼」
安倍首相は、2日間の豪州訪問の際、第二次大戦中にダーウィン沖合で沈没した旧日本軍所有の伊号第124潜水艦の乗員80人を追悼した。
同潜水艦は他の3隻の潜水艦とともに、連合軍の戦艦を食い止めるための旧日本軍秘密作戦に参加していた。
同首相は、豪州ノーザンテリトリィ準州のマイケル・ガンナー首相とともに慰霊廟を訪問して献花した。
現地在住の日系人は、両国がかつて、豪州北部で戦火を交えたことを大抵の人が知らないことから、今回の安倍首相の慰霊訪問は、“忘れられた”当時の犠牲者のことを社会に知らしめる上で意義があることだと語った。
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