米コーネル大学と学校教育や移民制度の改革を目指すロビー団体の「FWD.us(フォワード・アス)」が先週6日に公表した調査結果によると、米成人の半数近くの人には、刑務所や拘置所に収監された経験のある肉親がいることが判明した。
『AFP通信』『BBC』『ワシントンポスト』などのメディアが報じた本調査は、今夏、全米で4,041人の成人を対象にインターネットと電話で行われ、米国内で収監される人が増えている現状について記述している。
本調査では、米成人の約45%に相当する約1億1,300万人に、少なくとも一晩、刑務所や拘置所に収監されたことのある肉親がいることが判明した。さらに7人に1人は1年以上、34人に1人は10年以上の収監経験のある肉親がいる。...
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『AFP通信』『BBC』『ワシントンポスト』などのメディアが報じた本調査は、今夏、全米で4,041人の成人を対象にインターネットと電話で行われ、米国内で収監される人が増えている現状について記述している。
本調査では、米成人の約45%に相当する約1億1,300万人に、少なくとも一晩、刑務所や拘置所に収監されたことのある肉親がいることが判明した。さらに7人に1人は1年以上、34人に1人は10年以上の収監経験のある肉親がいる。そして38人に1人、650万人と見積もられる人々には、現在収監されている肉親がいるという。
本調査ではまた、黒人は白人より、収監経験のある肉親がいる人の割合が50%多くなり、1年以上収監された肉親がいる人は3倍に増えること、年収が2万5,000ドル(約280万円)未満の人は、10万ドル(約1,125万円)超の人より、収監経験のある肉親がいる人の割合が61%多く、収監期間が1年以上の場合は3倍となることなども判明した。地域的には南部や西部諸州では、北東部諸州より肉親が収監される人の割合が高い。
調査報告書は、たとえ短い収監期間でも、人々の生活に壊滅的な影響をもたらす可能性があり、罰金などが追加で科されることがある他、無事刑期を終えたとしても、その後長い間、就職や住宅の取得などが制限され、成功の機会が得られなくなると指摘している。
米国では1980年代以来、法規制が強化され、刑務所や拘置所に収監されている人は4倍に増え、世界中のどの国よりも多くの人が拘束されている。現在各州や連邦の刑務所には常時150万人超が収監されており、地元の拘置所には毎年新たに約1,100万人が収容される。米国で収監される人の割合は10万人当たり710人で、西側先進諸国ではずば抜けて多い。英国では同147人で、カナダは118人、ベルギーは108人、フランスは98人だ。
先月トランプ大統領は、超党派の刑務所改革法案への支持を表明した。共和・民主両党の上院議員らが提案し、一部の軽微な犯罪の刑期を短くするもので、収監者数を減らす狙いがある。特に薬物犯罪は、軽いものでも3回目の重犯の場合、25年の刑期が自動的に科されるため、その改定を求めている。しかし、本法案に対しては保守派の強い反対がある。
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