ドナルド・トランプ大統領は、二度目の米朝首脳会談を設定し、朝鮮半島の非核化・平和安定を成し遂げると意気盛んである。しかし、米政策研究機関は、北朝鮮に20余りの秘密基地があり、依然ミサイル・核開発が密かに進められているとすっぱ抜いている。従って、同大統領が前のめりになればなる程、北朝鮮のしたたかさが透けて見える。ただ、同大統領の自己陶酔的アピールを、安倍晋三首相は評価している模様で、この程、同首相から“ノーベル平和賞に推薦”したとの書簡が届いたことを同大統領が公表した。文在寅(ムン・ジェイン)韓国大統領も同様絶賛しているとの報道がなされ、トランプ大統領の持ち上げ合戦でも日韓が競合している模様である。
2月15日付
『ザ・デイリィ・コーラー』保守系オンラインニュース:「トランプ大統領、日本の首相が同大統領をノーベル平和賞候補に推薦したとの書簡を受領と公表」
ドナルド・トランプ大統領はホワイトハウスで2月15日、安倍晋三首相が、同大統領を“ノーベル平和賞候補”として推薦した旨の書簡を受け取ったことを明らかにした。
同首相は、米大統領として初めて北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長と会談し、朝鮮半島の非核化、平和安定化に邁進していることを評価したものだとしているという。...
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2月15日付
『ザ・デイリィ・コーラー』保守系オンラインニュース:「トランプ大統領、日本の首相が同大統領をノーベル平和賞候補に推薦したとの書簡を受領と公表」
ドナルド・トランプ大統領はホワイトハウスで2月15日、安倍晋三首相が、同大統領を“ノーベル平和賞候補”として推薦した旨の書簡を受け取ったことを明らかにした。
同首相は、米大統領として初めて北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長と会談し、朝鮮半島の非核化、平和安定化に邁進していることを評価したものだとしているという。
この件を公表した際、同大統領は、バラク・オバマ前大統領が大統領職に留まっていたら、“北朝鮮と戦闘を交える”ことになっていただろうとコメントした。
この発言の背景は、オバマ氏が2009年、「核なき世界」に向けた国際社会への働きかけが評価されて、大統領在任中3人目のノーベル平和賞(注後記)を受賞しているからである。
トランプ大統領は、同賞への推薦はありがたいが、自身が同賞を受賞することはあるまいと謙虚な発言をしたが、同時に、オバマ氏がほんのちょっとした平和演説だけで同賞を受賞できた、とも付言した。
ただ、トランプ政権による北朝鮮非核化進展との評価には大きな疑念が生じている。何故なら、昨年11月にリリースされた衛星写真より、北朝鮮が秘密基地で依然弾道ミサイル開発を続行していると分析されたからである。
一方、韓国高官の話によると、文在寅大統領も、トランプ大統領がノーベル平和賞候補に相応しいと評価しているという。
(注)大統領在任中3人目のノーベル平和賞:1906年に第26代大統領のセオドア・ルーズベルト(日ロ戦争の講和の成果)、1919年に第28代大統領のウッドロー・ウィルソン(第一次世界大戦の講和における努力の成果)に続いて3人目。また、米大統領経験者の受賞は、2002年のジミー・カーター(第39代大統領。在任は1977~1981年だが、退任後、北朝鮮・キューバ・南スーダン等での国際紛争鎮静化に努めたことが評価)以来である。
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