米航空会社の業界団体であるエアラインズ・フォー・アメリカ(A4A)はこのほど、乗客が航空券を予約する際に申告する性別について、男性と女性以外の選択肢を追加する方針であることを明らかにした。
『CNN』『USAトゥデイ』や航空関係の業界紙が19日までに報じている。従来の「男性(male)」と「女性(female)」以外の選択肢として、「不特定(unspecified)」や「非公開(undisclosed)」などが加えられることになるという。
A4Aによれば、同団体と国際航空運送協会(IATA)に加盟する航空各社は、自分が男女いずれにも分類されないと認識する利用客のための新たな選択肢を、国際基準として承認した。...
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『CNN』『USAトゥデイ』や航空関係の業界紙が19日までに報じている。従来の「男性(male)」と「女性(female)」以外の選択肢として、「不特定(unspecified)」や「非公開(undisclosed)」などが加えられることになるという。
A4Aによれば、同団体と国際航空運送協会(IATA)に加盟する航空各社は、自分が男女いずれにも分類されないと認識する利用客のための新たな選択肢を、国際基準として承認した。新基準は6月1日から有効となるが、新たな性別の選択肢を実際に追加するか否かは、各航空会社の判断に委ねられている。
米国の大手航空会社の多くが対応する方向だ。A4Aに加入するアメリカン航空は対応を準備中としており、ユナイテッド航空は、「今後数週間で、お客様は予約の過程で最も該当すると思われる性別を選択することができるようになります。」とツイッターに投稿した。サウスウェスト航空、アラスカ航空も対応する意向を示している。デルタ航空はA4Aを2015年に脱退し、現在では加入していないが、対応予定であるとの声明を発表した。
米国では多くの州が、IDカード(身分証明書)や出生証明書、運転免許証などに新たな性別を追加しているが、今回の航空業界の動きは、この流れに呼応する。一般的に、世界各国の法律では、飛行機の利用客の情報は、身分証明書と一致する必要がある。
A4Aは声明で、「米国の航空会社は、利用客の皆さんのために、そして職場においても同様に、ダイバーシティ(多様性)とインクルージョン(一体性)の文化を尊重しており、私たちは日々、安全で安心かつ楽しいフライト体験をご提供する一方で、全てのお客様のニーズに対応するよう、努力しております。」と述べた。
トランスジェンダーの権利を擁護するNCTEなどの団体は、航空各社の決定を歓迎している。NCTEは声明で、「A4Aが乗客の多様性を反映した性別の選択肢を追加したことを称賛する。男女以外の性別を認識する人々は、航空会社、空港の職員や警備員などから不必要な、差し出がましく、差別的な詮索を受けている。A4Aの取り組みは、性別によらず、全ての乗客に安全で円滑な旅を保証することに向けての重要な一歩だ。」と評価した。
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