米国の有力な消費者情報誌「コンシューマー・レポート」は21日、米電気自動車(EV)大手テスラのセダン型EV「モデル3」の推奨を取り下げた。消費者が苦情を訴え、信頼性の問題が浮上したことが理由としている。
同誌の発表を受け、
『ロイター通信』『CNN』などのメディアが一斉に報じた。テスラ車の購入者の満足度は、他ブランドの顧客より一般的に高いものの、多くのモデル3のオーナーが、車体や窓、塗装、電気系統などの欠陥に関する苦情を報告しているという。
同誌がモデル3を推奨後、9カ月足らずで推奨撤回に至ったことにより、同車種を発売して以来、テスラが直面してきた品質の問題が再度浮上することとなった。モデル3は同社の販売拡大の鍵となる車種だ。...
全部読む
同誌の発表を受け、
『ロイター通信』『CNN』などのメディアが一斉に報じた。テスラ車の購入者の満足度は、他ブランドの顧客より一般的に高いものの、多くのモデル3のオーナーが、車体や窓、塗装、電気系統などの欠陥に関する苦情を報告しているという。
同誌がモデル3を推奨後、9カ月足らずで推奨撤回に至ったことにより、同車種を発売して以来、テスラが直面してきた品質の問題が再度浮上することとなった。モデル3は同社の販売拡大の鍵となる車種だ。同社は顧客の全体的な満足度は高いと指摘し、多くの問題に既に対応済であり、製品に満足しない顧客には全額返金の対応もしているとした。
低価格で大衆車として発売されたモデル3への低評価は、テスラのブランド価値を毀損している。同誌の2019年自動車ブランド別ランキングでは、33ブランド中19位と前年から11ランクも下落した。同誌のランキングは多数の自動車の購入見込み客が参考にしており、走行テスト、信頼性、安全性、オーナーの満足度などの評価に基づいている。
今回、衝突被害軽減ブレーキ(AEB)が搭載されていないことも推奨撤回の理由となっているが、AEBの技術を欠くとして推奨されない車には、米ゼネラルモーターズ(GM)のシボレーなど、人気のブランドや車種も多い。同誌の自動車検査責任者のジェイク・フィッシャー氏は、「我々は衝突防止に極めて有効なこの機能を長い間要求してきた。」と強調しており、自動車メーカーに対し、AEBを標準装備とするよう圧力が強まっている。
現在、多くの新車モデルにはAEBが標準装備されている。コンシューマー・レポートが中型SUV(スポーツ用多目的車)部門で2019年の最高評価としたスバルのアセントが、その一例だ。スバルは同誌の自動車ブランドランキングで首位となった。韓国・現代自動車の高級車ジェネシスが2位、独フォルクスワーゲンのポルシェとアウディがそれぞれ3位と4位で、トヨタの高級車レクサスが5位となった。
この他2019年の最高評価を得たその他の車種には、トヨタのアバロン・ハイブリッド・セダン、プリウス・ハイブリッドなどや、スバルのSUVフォレスターなど、日本の自動車メーカーの車が多く含まれている。
閉じる