米コネティカット州最高裁は、2012年サンディフック小学校銃乱射事件で犯人が使用した軍式ライフル銃のメーカーに対する訴訟を認める判断を下した。別の銃乱射事件に関しても銃器メーカーへの責任が追及される可能性も出てくる。法律で損害賠償責任から守られてきた銃産業は懸念を示している。
3月15日付米国
『ブルームバーグ』は「州裁判所がサンディフック事件の遺族に銃器大手レミントン社への訴訟許可、銃業界に痛手」との見出しで以下のように報道している。
コネチカット州最高裁判所は、2012年に起きたサンディフック小学校銃乱射事件の被害者遺族に、軍式ライフル銃を市場販売した銃器メーカーを相手取り訴訟を起すことを認めた。州不正取引法のもとの不正販売であるとして、家族の訴訟を認可。...
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3月15日付米国
『ブルームバーグ』は「州裁判所がサンディフック事件の遺族に銃器大手レミントン社への訴訟許可、銃業界に痛手」との見出しで以下のように報道している。
コネチカット州最高裁判所は、2012年に起きたサンディフック小学校銃乱射事件の被害者遺族に、軍式ライフル銃を市場販売した銃器メーカーを相手取り訴訟を起すことを認めた。州不正取引法のもとの不正販売であるとして、家族の訴訟を認可。2016年の予審では却下されていた。
裁判にあたり、遺族らは銃メーカーの内部情報へのアクセスを求める可能性がある。そうなれば、他の銃犯罪事件の遺族も訴訟を起す可能性が開けるという点で、これは画期的な決定だという。今後の銃メーカーの責任問題を決定づける分岐点となる。
武器取引における合法的取引の保護法においては、商品を使った犯罪への責任に関する訴訟を禁止している。
全米ライフル協会が支持する法規では、同様の訴訟を業界が鎮圧しており、サンディフック訴訟は注目される例である。
今回の決定に銃器製造業界では懸念が高まっている。国立射撃スポーツ財団も落胆の色を隠せない。更に他州でも、大量殺人事件だけでなく、個人の場合を含め、同様の訴訟が増加する可能性がでてくる。
遺族による訴訟では銃器メーカーは、仮想敵に対抗する戦闘武器として銃を宣伝し市民に売り混んでいるとしている。コネチカット州法では、暴力的行動を助長する広告を禁止。銃規制支持団体もこの決定に沸いている。」
同日付『ロイター通信』は「裁判所が学校銃乱射事件遺族による銃メーカーへの訴訟を認める」との見出しで以下のように報道している。
サンディフック事件で銃の犠牲になった生徒の家族らが、レミントン・アウトドア社を相手取り訴訟することをコネチカット州裁判所が認めた。銃撃事件の補償問題から長い間守られてきた銃器メーカーには、痛手となる決定。
2012年のクリスマス前に起きた事件では、20歳の銃を持った男が6~7歳の生徒20人と成人職員6人をレミントン社の半自動ライフル(AR15ブッシュマスターライフル)を乱射し殺害。犠牲者と負傷者家族9名が、軍式をアピールして銃を販売していた銃卸や小売店及びレミントン社が事件の責任の一端があると主張。遺族側弁護士の一人は、銃器業界の責任逃れを回避した今回の決定に感謝しているとの声明文を出している。
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