金委員長は最近あわただしく各国首脳と会談し、国際的制裁の解除を模索してきたが、まだ達成されていない。最近の北朝鮮の兵器実験や米国との核交渉の行き詰まりから、北朝鮮が、2017年当時アジアに戦争の危機をもたらした、中長距離弾道ミサイルの発射実験を再開するのではないかという恐れがある。
北朝鮮国営の朝鮮中央通信は、金委員長がロシアを訪問し、プーチン大統領と会談すると短く報じた。会談の日時や金委員長の移動手段などは明らかにされていない。...
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金委員長は最近あわただしく各国首脳と会談し、国際的制裁の解除を模索してきたが、まだ達成されていない。最近の北朝鮮の兵器実験や米国との核交渉の行き詰まりから、北朝鮮が、2017年当時アジアに戦争の危機をもたらした、中長距離弾道ミサイルの発射実験を再開するのではないかという恐れがある。
北朝鮮国営の朝鮮中央通信は、金委員長がロシアを訪問し、プーチン大統領と会談すると短く報じた。会談の日時や金委員長の移動手段などは明らかにされていない。会談はロシア極東のウラジオストクで開催されるのではないかと見られている。
ロシアは先週、金委員長は4月後半にロシアを訪れると発表したが、それ以上の詳細は明らかにしていない。
プーチン大統領が行き詰った核交渉を進めることができるか、また今回の訪問がロシア、北朝鮮両国に経済的利益を生むものかは明らかでない。ロシアは北朝鮮のレアメタルを含む鉱物資源に興味を持っている。一方、北朝鮮は、ロシアからの電力供給の獲得と老朽化した工業施設、鉄道などの社会インフラの近代化へのロシア資本の投資を期待している。
金委員長とトランプ米大統領は2回会談しており、2月のベトナムでの2回目の会談は、北朝鮮が要求した制裁解除の内容が、見返りの武装解除の範囲と折り合わず、失敗に終わった。
海外メディアからは孤立していると見られている金委員長だが、韓国、中国、ベトナムおよびシンガポールの首脳陣と活発に会談を行っている。またワシントンへ代理を派遣するとともに、平壌でトランプ大統領の代理と核廃棄交渉を行っている。
しかし金委員長の我慢も限界に近づいている。北朝鮮は先週、新しい「戦術兵器」の実験を行ったと発表した。交渉を放棄することになる、禁じられている中長距離弾道ミサイルの実験ではなかったことから、この動きは、外交交渉の停滞に対する北朝鮮側の落胆を表すものとみられている。
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