習近平(シー・チンピン)国家主席が、2014年11月に“一帯一路経済圏構想(OBOR)”を提唱して以来、中国の最優先事項の一つとして、アジア、アフリカ、そして欧州の多くの国々に積極的投融資が行われてきた。しかし、ここへきてアジア、アフリカの途上国から、債務超過に陥るだけで、自国の経済や雇用に何ら貢献がみられないとの不満の声が上がり始め、OBOR政策に陰りが見え始めた。そこで習主席は、北京で開催された第2回OBOR関係国サミットで、中国政府として、開放的、前向き、かつ汚濁のない協力体制を構築していくと演説した。
4月26日付
『ABCニュース』(
『AP通信』配信):「習国家主席、懸念が広がる中でOBOR促進を宣言」
習近平国家主席は4月26日、中国が推進するOBOR政策について、インフラ投融資先の国々から債務が膨張するだけで少しも自国に恩恵がないとの不満の声が上がる中、高度の基準を設けて促進していくとの決意を表明した。
目下、北京で開催されているOBOR関係国サミットの開会宣言の中で述べられたもので、同主席は、同政策を“開放的、前向き、かつ汚職と決別した”支援・協力体制を構築すると言及した。...
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4月26日付
『ABCニュース』(
『AP通信』配信):「習国家主席、懸念が広がる中でOBOR促進を宣言」
習近平国家主席は4月26日、中国が推進するOBOR政策について、インフラ投融資先の国々から債務が膨張するだけで少しも自国に恩恵がないとの不満の声が上がる中、高度の基準を設けて促進していくとの決意を表明した。
目下、北京で開催されているOBOR関係国サミットの開会宣言の中で述べられたもので、同主席は、同政策を“開放的、前向き、かつ汚職と決別した”支援・協力体制を構築すると言及した。
OBOR対象地域であるアジア、アフリカの途上国は、道路・港湾他施設の建設によって貿易が盛んになることを歓迎したが、一方で、建設費用が多額となり“債務超過”に陥っているとの不満の声が上がっている。
実際、タイやマレーシアは、同政策に基づくプロジェクトの中止や一時棚上げを決定し、また、エチオピアやその他数ヵ国は、中国側と返済繰り延べ交渉を行っている。
一方、米国、ロシア、日本、インドは、中国がOBOR投融資先の国々に拠点を築き、中国中心の政治・経済ネットワークを形成しようとしている姿勢に懸念を表明していた。
そこで習国家主席は、冒頭の演説の中で、中国財務部(省に相当)が4月25日に公表した“投融資ガイドライン”は国際通貨基金(IMF)やその他国際金融機関が基本とする指針に従ったもので、債務国の金融リスクを再評価するものだとした。
更に同主席は、OBOR政策は決して“排他的な構想”ではなく、あくまで“共通の開発及び繁栄”を促進していくものだと強調した。
なお、同サミットには、ミャンマーのアウン・サン・スーチー国家顧問、シンガポールのリー・シェンロン首相、エチオピアのアビー・アハメド首相や、その他、ギリシャ・セルビア・マレーシア代表らが出席している。
同日付中国『環球時報』(『新華社通信』配信):「習国家主席、中国企業はもとより、海外の学生・学者も公平に処遇すると表明」
習国家主席は、OBOR関係国サミットの開会演説の中で、関係国に公正な投資環境を創出するよう求め、また、中国側としても、中国企業はもとより、海外の学生・学者らも公平に処遇すると表明した。
同主席は、正常な国際交流・協力を推進していくため、全ての関係国に、公平かつ友好的な環境作りを求めたいとも言及した。
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