米国土安全保障省は20日、中国製ドローン(小型無人機)の使用について、中国政府が飛行情報などのデータを入手している可能性があるとして、米企業などに警戒を呼びかけた。特定メーカーに言及していないが、世界最大手のDJIが念頭にあるとみられている。
『CNN』や
『ロイター通信』などが21日までに、国土安全保障省(DHS)の通知について報じた。この通知は「中国製無人航空機システム」と題され、「情報機関にデータのアクセスを無制限に認め、アクセス権の乱用を許す権威主義国家の領土に、米国のデータを持ち込む全ての技術製品について強い懸念」を抱いていると警告した。
DHSのサイバーセキュリティ・インフラセキュリティ局の報道官は、「中国で製造された無人航空機の技術の使用に伴うリスクと、リスク軽減の手段に関する注意喚起情報を、最近発信した」ことを認めている。...
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『CNN』や
『ロイター通信』などが21日までに、国土安全保障省(DHS)の通知について報じた。この通知は「中国製無人航空機システム」と題され、「情報機関にデータのアクセスを無制限に認め、アクセス権の乱用を許す権威主義国家の領土に、米国のデータを持ち込む全ての技術製品について強い懸念」を抱いていると警告した。
DHSのサイバーセキュリティ・インフラセキュリティ局の報道官は、「中国で製造された無人航空機の技術の使用に伴うリスクと、リスク軽減の手段に関する注意喚起情報を、最近発信した」ことを認めている。
この通知は、米企業などに対し、中国製のドローンを購入する場合には注意するよう呼びかけるとともに、使用の際には、インターネット接続を無効にしたり、データの記録媒体を抜いたりするなどの予防措置を講じるよう警告した。また、自社の飛行データなどの情報が、ドローンの関連業者や他の第三者によって保存されていないか、保存されている場合には、保存の方法や場所、保存期間などを調査するよう助言している。
通知は具体的な企業名を名指ししていないが、業界アナリストによれば、北米で使用されるドローンの79%、世界全体でも74%が、中国・深圳を本拠とする世界最大手のドローン製造会社DJI社の製品であるため、同社を念頭に置いているものとみられる。
DJIは20日、「当社技術の安全性は、米国の政府や企業によって、独立した立場からの検証がなされている。」との声明を発表し、「データの収集、保存、送信については、顧客が完全に管理している。」と述べた。また、高い安全性を求める政府機関や重要インフラを提供する顧客用に、「DJIへのデータ送信、或いはインターネット経由の送信をしないドローンも供給している。」と説明した。
米政府は中国製品の脅威に対する懸念を強めている。米商務省は15日、中国通信機器大手ファーウェイ(華為技術)と関連の68社を、安全保障上のリスクがあることを理由として、米企業からの購入規制対象リストに追加すると発表した。ファーウェイは、米政府の許可なしに、米企業から部品などを購入することが禁じられる。
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