中国の通信機器大手ファーウェイ(華為技術)の任正非最高経営責任者(CEO)は17日、同社への米制裁の影響が予想以上に大きいことを認め、今年と来年の売上高見通しを300億ドルほど引き下げ、約1000億ドル(約10兆8500億円)とすることを発表した。
『ロイター通信』などの報道によれば、ファーウェイ創業者の任正非(Ren Zhengfei)CEOは17日、中国南部・深圳の同社本社で開催されたイベントで、2019年の売上高について、当初為替変動を考慮して約1250~1300億ドルと、前年実績の約1040億ドルから約20%の増加を見込んでいたが、約1000億ドルに下方修正することを明らかにした。
米国は、国家安全保障上の理由から、政府の特別の許可がなければ米国製品を輸出できない対象リストにファーウェイを追加し、同社に対する事実上の輸出禁止措置を取っている。...
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『ロイター通信』などの報道によれば、ファーウェイ創業者の任正非(Ren Zhengfei)CEOは17日、中国南部・深圳の同社本社で開催されたイベントで、2019年の売上高について、当初為替変動を考慮して約1250~1300億ドルと、前年実績の約1040億ドルから約20%の増加を見込んでいたが、約1000億ドルに下方修正することを明らかにした。
米国は、国家安全保障上の理由から、政府の特別の許可がなければ米国製品を輸出できない対象リストにファーウェイを追加し、同社に対する事実上の輸出禁止措置を取っている。本措置により、米IT大手グーグルや英半導体設計大手ARMなどの企業が、相次いで同社との取引の停止や縮小に踏み切った。
ファーウェイは、米制裁が予想以上に影響しているとして、今年の売上高への影響が300億ドル相当になると見込んだ。また2020年の売上高も同様の1000億ドル程度としている。ファーウェイが制裁の影響を数値化したのは今回が初めてだ。同社の幹部社員らは、この数週間、同社は技術的に自給自足が可能との強気のコメントをしていた。
任CEOは、米制裁が「それほど強力で、広範囲に及ぶ」とは予想していなかったとして、「そこまで多くの面で米国が攻撃してくるとは思わなかった。」と語った。任CEOは、「部品の供給を受けることができないし、多くの国際組織への参加、多くの大学との共同研究、米国製部品の使用やそうした部品を使用するネットワークとの接続を確立することもできない。」と現状の苦しさを説明している。
『AFP通信』などによると、任CEOはまた、同社製スマートフォンの海外での販売台数がこの1カ月間、約40%減少したことを認め、対応策として、今後2年間で300億ドル(約3兆2500億円)分の減産を計画していると説明した。ファーウェイは現在、世界第2位のスマートフォン・メーカーである。
任CEOは一方、こうした状況のなか、2021年には事業の回復を見込んでいると期待を示したほか、米制裁は同社の財務状況を悪化させることが見込まれるが、研究開発費の削減や大規模な人員削減などは考えていないと述べた。
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