捕獲された11頭のシャチと87頭のシロイルカは、この「クジラの刑務所」と呼ばれる場所で去年から飼育されていた。これらの動物は中国の大規模水族館に売却される予定だったが、「クジラの刑務所」のなかで弱っている映像が拡散し、国際的な非難を呼び起こした。
ウラジミール・プーチン大統領は先週、クジラを自然に返すロシアの動きを歓迎した。
非営利団体ホエール・サンクチュアリ・プロジェクトはこの決定を称賛した。...
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捕獲された11頭のシャチと87頭のシロイルカは、この「クジラの刑務所」と呼ばれる場所で去年から飼育されていた。これらの動物は中国の大規模水族館に売却される予定だったが、「クジラの刑務所」のなかで弱っている映像が拡散し、国際的な非難を呼び起こした。
ウラジミール・プーチン大統領は先週、クジラを自然に返すロシアの動きを歓迎した。
非営利団体ホエール・サンクチュアリ・プロジェクトはこの決定を称賛した。「我々はシャチとシロイルカが解放のためにハバロフスクに搬送されるのを見て、満足している」とホエール・サンクチュアリ・プロジェクトのチャールズ・ヴィニック事務局長は声明で述べた。「これはクジラにとっていい日だ」
しかし、グリーンピースのロシア支部は、2頭のシャチと6頭のシロイルカは、1,770キロメートルをトラックで運ばれ、船に乗せられて、生息地のオホーツク海に、ただ投げ捨てられただけだという。搬送は7日掛かり、その間、シャチとシロイルカは狭いコンテナに入れられたままだった。
クジラの解放は、海洋学者で、亡くなった海洋専門家ジャック・クストゥ氏の息子であるジャン・ミッシェル・クストゥ氏が4月にクジラの刑務所を訪れたことを受けて決定された。
ロシア当局はクストゥ氏のチームの海洋専門家に解放作業に関与してもらうと確約したが、国際的な、独立した科学者は、作業への参加要請を受けていない。クストゥ氏はクジラを海送するよう推奨していた。
グリーンピースは、クジラを自然に戻すための準備をしようしておらず、クジラがトラウマを受けたり、死ぬ可能性が深刻なほど高まったという。一連の作業は秘密裡に行われたという。
「シャチやシロイルカを狭いコンテナに7日も置いたあとで、すぐに海に放つのは、残酷なことだ」とグリーンピースの専門家のオーガネス・ターガリヤン氏はロシアメディアに語った。「シャチたちは放たれたのではなく、投げ捨てられたのだ」
ロシア当局は、作業は成功裡に終了し、搬送中クジラが傷つくことはなかったと述べた。9頭のシャチと81頭のシロイルカが囚われの身のまま残っている。今後4か月で数回に分けて解放される予定だ。
ロシア極東の裁判所は今月、「クジラの刑務所」に関わったとして、複数の会社に合計1億5,020万ルーブル(2億5,810万円)の罰金を科した。しかしロシアの国家調達のウェブサイトに掲載された書類によると、同じ会社がロシア漁業・海洋科学研究所からクジラの解放作業を請け負っている。請け負い費用は3億6,000万ルーブル(6億1,843万円)以上に及ぶ。
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