ウクライナが、現在も高レベル放射線のあるチェルノブイリ原子力発電所(4号機)を覆う大型シェルターの稼働を発表した。今後はこのウクライナの負の遺産を観光名所へと変えていくという。
7月10日付英国
『BBC』は「チェルノブイリ原発が公式観光地へ」との見出しで以下のように報道している。
ウクライナのゼレンスキ大統領は10日、新たな遊歩道や携帯電話回線を整備するための大統領令に署名。「チェルノブイリはウクライナの負の遺産であったが、これを変える時がきた」、と述べた。また、「我々は観光客用の緑の回廊を作る。チェルノブイリは人災による大事故後、本物の廃墟の町がある地球上で唯一の場所であり、世界に示していかなければなない」としている。...
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7月10日付英国
『BBC』は「チェルノブイリ原発が公式観光地へ」との見出しで以下のように報道している。
ウクライナのゼレンスキ大統領は10日、新たな遊歩道や携帯電話回線を整備するための大統領令に署名。「チェルノブイリはウクライナの負の遺産であったが、これを変える時がきた」、と述べた。また、「我々は観光客用の緑の回廊を作る。チェルノブイリは人災による大事故後、本物の廃墟の町がある地球上で唯一の場所であり、世界に示していかなければなない」としている。
チェルノブイリ原子力発電所は1986年に爆発事故を起こし、その放射性物質はヨーロッパまで拡散、国連によると、5万平方キロが汚染されたとされている。事故直後少なくとも31人が死亡した。
チェルノブイリは今も通常以上の放射能レベルであるにもかかわらず、禁止区域に既に毎年数千人が見物に訪れている。今後は入場ゲート設置や水路系統が整備され、撮影禁止措置は解除される見込みだという。また政府は不正を取り締まるため、電子チケットシステムを導入する。
大統領は事故施設を覆うシェルター新設記念式典に出席した。この防御シェルターは17億ドルをかけ2016年設置された。100年先まで放射能漏れを防ぐという。幅275メートル、高さ108メートルでフランスのノートルダム寺院がすっぽり収まる大きさ。
同日付ロシア『RT』は「ウクライナが、チェルノブイリ原発を腐敗のシンボルから観光名所へ変えると誓約」との見出しで以下のように報道している。
ウクライナがチェルノブイリ廃墟見学ゾーンを“新たなウクライナのシンボル”の観光名所にしようとしている。この計画はEUが原発を覆うシェルターを譲渡したタイミングで発表された。ウクライナのゼレンスキー大統領は、チェルノブイリの発展を促す大統領令に署名。立ち入り禁止区域だったにもかかわらず、この地域の水面下の観光客は何年もいた。関係者が賄賂を受け取り、ニッチなエンターテイメントとして容認されていたからだ。(米国ケーブル)HBOテレビのドラマ「チェルノブイリ」のヒットにより、渡航者は40%増加したとも言われている。また、この地域は鋼鉄廃材を漁る違法業者が安全ではない“物”を海外に売るため立ち入っていた。大統領はこれらの問題が、この開発計画で解決へ向かうだろうとしている。賄賂役人から観光収入を取り戻し別の財源として活用できる点で、当計画は順当な計画のようである。
外国からも資金援助を受け10年以上かけて建設されたシェルターは100年耐久性が見込まれる。EUによると、今後は、旧防護構造の解体や放射能除去などを含めこの施設の運営はウクライナに任せられるという。
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