フランス政府は9日、フランス発の飛行機を対象に、2020年から新税を導入するとの方針を発表した。新たな環境税の導入方針は、フランス航空業界から強い反発を招いている。
『ルポワン』の報道によると、環境税は、フランス本土から出発するすべての便に航空会社を問わず適用される。国内便・欧州便のエコノミークラスで1.5ユーロ(約182円)、ビジネスクラスで3ユーロ(約365円)。国際便のエコノミークラスでは3ユーロ(約365円)、ビジネスクラスでは18ユーロ(約2,189円)の課税が予定されている。ただしコルシカ島及び海外のフランス領に向かう便は免除となる。
この追加税は、国庫の財源に年間1億8,200万ユーロをもたらすと予想されている。...
全部読む
『ルポワン』の報道によると、環境税は、フランス本土から出発するすべての便に航空会社を問わず適用される。国内便・欧州便のエコノミークラスで1.5ユーロ(約182円)、ビジネスクラスで3ユーロ(約365円)。国際便のエコノミークラスでは3ユーロ(約365円)、ビジネスクラスでは18ユーロ(約2,189円)の課税が予定されている。ただしコルシカ島及び海外のフランス領に向かう便は免除となる。
この追加税は、国庫の財源に年間1億8,200万ユーロをもたらすと予想されている。 しかし現在、フランスの複数の航空会社が財政的に困難な状況にあり、エールフランス航空などは、更なる課税は競争力を落とすと反対している。
『ルポワン』によると、今回の増税は低い金額で抑えられ、一見影響が出ないように思えるが、ヨーロッパレベルで、あるいは世界的にこの税を導入しない限り、フランス企業にとって新たなハードルを生み出し競争力が落としてしまう。更にはフランスという目的地の魅力も下がってしまうという。
乗客が、航空券を予約する際、インターネットまたは旅行代理店内で、さまざまな世界の航空会社の料金とユーロを比較し決定する。その場合例えば、フランス国内の町、トゥールーズ(ボルドー、リヨン、ナント、ニースなど)から中国の北京に向かう乗客は、ロンドン、フランクフルト、マドリッドなどを経由すると1.50ユーロ(約365円)の課税で済むのに対し、パリ経由では18ユーロ(2,189円)の課税、と差が出てしまうというのだ。
『ルポワン』は更に2006年にフランスが導入した航空券連帯税の失敗について述べている。
貧困国のために薬を入手できるようにと世界的に導入される予定であった航空券連帯税(UNITAID)は、10年以上経った今でもほとんどフランス及び複数のフランス語圏の国に留まったままとなっている。 さらに、UNITAIDの予算を超過した収入分はフランス政府の一般財源に組み込まれっていた。このような行為は、民間企業では、資産の乱用で起訴されるものだ。最近、過剰金は陸上輸送を近代化するために使われるようになった。
また『BFMTV』は、フランスでの航空券は既にヨーロッパの中でもその課税は決して低くないと主張するエールフランス航空の説明を報道している。例えば90.32ユーロ(約10,992円)のパリ - ニース航空券の価格内訳は以下のようになる。
90.32ユーロの航空券は、その半分以下の42.50ユーロ(約5,172円)はエールフランスに直接支払われる。この支払の中に、会社の固定費(給与と社会保険料、航空機の購入/レンタル、燃料、食事と飲み物代など)と、会社が自由に決定できる商業上のマージンが含まれている。
変動部分に相当する残りの53%、つまり47.82ユーロ(約5,819円)は、空港のメンテナンスやサービスの提供などに使用される税金と手数料に分割される。航空券上に記載されているものは、空港税(11.70ユーロ=約1,424円)、空港/旅客手数料(10.78ユーロ=約1,312円)、民間航空税(4.58ユーロ=約557円)。また税金と追加料金の付加価値税(4.03ユーロ=約490円)および航空券連帯税(1.13ユーロ=約138円)がある。
他の税金や手数料は必ずしもチケットに記載されていないが、付加価値税(4.19ユーロ=約510円)、空港/航空手数料(5.73ユーロ=約697円)、道路料金(3.45ユーロ=約420円)、この航空券の場合のニース空港のターミナル料金(1.92ユーロ=約234円)と騒音税(0.31ユーロ=約38円)がある。
結局のところ、手数料は21.88ユーロ(=約2,663円)、純粋な税金は25.94ユーロ(=約3,157円)、つまり価格の29%近くを占める。 2020年の新たな環境税が施行された時にはこれに1.50ユーロ(約182円)追加されることになる。
新しい税収は鉄道・道路の近代化のための投資に充てられる予定だ。
閉じる