ドイツ自動車大手BMWと中国インターネット・サービス大手テンセント(騰訊控股)は19日、中国に自動運転車の開発を支援するデータ処理センターを共同で開設することを発表した。
『ロイター通信』『ブルームバーグ』などの報道によれば、BMWとテンセントが中国に設立する新センターは、年内の稼働開始を予定している。今回の提携について詳しい情報筋は、建設場所は東部の天津市であると明らかにした。両社は投資額を公表していない。BMWは今年、同社の本拠地ミュンヘンに、同様のデータ処理センターを開設していた。
同センターでは、先ずは緊急時などの場合に人間の対応が必要な条件付き自動運転車、最終的には完全自律型の自動運転車の技術開発を支援していく。...
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『ロイター通信』『ブルームバーグ』などの報道によれば、BMWとテンセントが中国に設立する新センターは、年内の稼働開始を予定している。今回の提携について詳しい情報筋は、建設場所は東部の天津市であると明らかにした。両社は投資額を公表していない。BMWは今年、同社の本拠地ミュンヘンに、同様のデータ処理センターを開設していた。
同センターでは、先ずは緊急時などの場合に人間の対応が必要な条件付き自動運転車、最終的には完全自律型の自動運転車の技術開発を支援していく。BMWは、テンセントのクラウドコンピューティングとビッグデータの技術を活用し、自動運転車の開発に必要なインフラを提供するためのセンターであると説明した。テンセントは、中国で最大級のクラウドコンピューティング・サービスを運営している。
中国政府は、来年から限定的な自動運転車を大量に導入し、2030年までに新規登録車の10%を完全自動運転車とすることを目指している。中国国内で、安全性や走行性能を向上させたスマート・カーや、インターネットに接続したコネクテッド・カーの市場は、来年には1000億元(約1兆5700億円)規模に達すると、政府は予測している。
BMWは2021年に、限定的な条件でのみ自動運転が可能で、必要時にはドライバーが対応しなければならない「レベル3」の自動運転車を中国市場に投入する見通しだ。レベル3の自動運転車は、道路の状態や交通状況に関する情報をリアルタイムで解析するために、大きなデータ処理能力が求められる。
自動運転車は、経験から学び、最終的には人間の介入なしに自律的に走行するために、高度なデータ抽出・分析などの能力を必要とする。その能力は、いわゆる人工知能(AI)の技術に依存しなければならない。
BMWグループの中国事業責任者であるヨッヘン・ゴラー最高経営責任者(CEO)は声明で、新データ処理センターの設立は、「中国におけるBMWの自動運転車の開発と技術革新を支援することになる。」として、「BMWはこれによって、中国特有の運転条件に、より適合した自動運転技術の開発が可能となる。」と述べた。
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