国連が北朝鮮に対する制裁決議の履行状況をまとめた最新の報告書によると、同国が金融機関や暗号資産の取引所などに大規模なサイバー攻撃を仕掛け、最大20億ドル(約2130億円)を違法に得ており、その資金は大量破壊兵器の開発などに使われているという。
同報告書は、国連による北朝鮮に対する制裁の履行状況を監視している独立した専門家パネルが6カ月毎に状況をまとめ、安全保障理事会・北朝鮮制裁委員会に提出しているもので、
『ロイター通信』や
『AP通信』、
『CNN』などのメディアが、最新の報告書の内容を把握し、7日までに報じた。
専門家らは、同国がサイバー空間を活用し、一段と洗練された攻撃をしかけて資金を盗み取り、収入を得ていると指摘した。また、違法に得た金は、サイバー空間でマネーロンダリング(資金洗浄)されているとも説明している。...
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同報告書は、国連による北朝鮮に対する制裁の履行状況を監視している独立した専門家パネルが6カ月毎に状況をまとめ、安全保障理事会・北朝鮮制裁委員会に提出しているもので、
『ロイター通信』や
『AP通信』、
『CNN』などのメディアが、最新の報告書の内容を把握し、7日までに報じた。
専門家らは、同国がサイバー空間を活用し、一段と洗練された攻撃をしかけて資金を盗み取り、収入を得ていると指摘した。また、違法に得た金は、サイバー空間でマネーロンダリング(資金洗浄)されているとも説明している。
北朝鮮のハッカーらの多くは、同国の情報機関である朝鮮人民軍偵察総局の指示の下でサイバー攻撃などの活動を続けているが、核兵器などの大量破壊兵器(WMD)の開発のために、今日までの推計で最大20億ドルの資金を調達したという。
専門家らは、北朝鮮が約17か国の金融機関や暗号資産(仮想通貨)取引所にサイバー攻撃を仕掛け、外貨を獲得しようとした事例の報告が少なくとも35件あり、調査中であると明かした。また、暗号資産取引所へのサイバー攻撃は、従来の銀行業界への攻撃より追跡が難しく、政府の監視や規制も厳しくないため、資金の入手がしやすいと指摘した。
国連の本報告書は、北朝鮮が先週から短距離ミサイルを複数回発射する前にまとまったが、5月と7月のミサイル発射により、弾道ミサイルの開発能力が全体的に高まったと専門家らは認識している。報告書は、北朝鮮は「核実験や大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射をしていないものの、核・ミサイル開発計画を強化し続けている。」と警告した。
米朝関係は膠着状態にあり、制裁の解除を求める北朝鮮の要求は受け入れられていない。前回の報告書同様、専門家らは今回も、外交的取り組みにも関わらず、国連制裁の継続した違反がみられると北朝鮮を批判しており、「例えば、北朝鮮は、海上で石炭および石油精製品などの物品を船から船へと積み替える違法な瀬取りや、大量破壊兵器関連の物品や贅沢品の調達を継続し、制裁違反を続けている。」と述べている。
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