台湾は16日、南太平洋の島国ソロモン諸島と断交したことを発表した。ソロモン諸島が中国と国交を結ぶことを決めたのを受けた措置となる。2016年に蔡英文総統が就任して以来、断交は6カ国目で、関係を維持する国は16カ国のみとなった。
『AFP通信』や英
『ガーディアン』などの報道によれば、台湾の呉釗燮外交部長(外相)は16日、台北で記者会見し、「ソロモン諸島の内閣が、外交関係を中国に切り替えることを決定した。これにより台湾政府はソロモン諸島との外交関係の即時断絶を宣言する。」と述べ、「きわめて遺憾」な決定であると批判した。
中国は、同国が掲げる「一つの中国」の原則を認めない民主進歩党出身の蔡英文氏が、2016年5月に総統に就任して以来、台湾が関係を維持する諸国への影響力を着実に増して切り崩しを図っており、台湾を外交的に孤立させている。...
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『AFP通信』や英
『ガーディアン』などの報道によれば、台湾の呉釗燮外交部長(外相)は16日、台北で記者会見し、「ソロモン諸島の内閣が、外交関係を中国に切り替えることを決定した。これにより台湾政府はソロモン諸島との外交関係の即時断絶を宣言する。」と述べ、「きわめて遺憾」な決定であると批判した。
中国は、同国が掲げる「一つの中国」の原則を認めない民主進歩党出身の蔡英文氏が、2016年5月に総統に就任して以来、台湾が関係を維持する諸国への影響力を着実に増して切り崩しを図っており、台湾を外交的に孤立させている。
今回のソロモン諸島の決定は、台湾にとって新たな打撃となった。蔡政権の下で台湾との関係を断絶した国は、アフリカのブルキナフォソ、サントメ・プリンシペ、中南米のドミニカ、パナマ、エルサルバドルで、ソロモン諸島は6カ国目となる。これで、台湾との関係を保つ国は、中南米や太平洋の島嶼国などを中心に16カ国のみとなった。
ソロモン諸島は1983年から36年間、台湾との関係を維持してきたが、今年対外関係の見直しに着手し、政府が設けた特別委員会が13日に報告書を発表し、中国との国交樹立を提言していた。ソロモン諸島は約60万人の人口を抱え、台湾との関係を維持する太平洋の島嶼国では圧倒的に大きい存在だった。残る太平洋で関係を維持する国は、パラオ、ツバル、ナウル、キリバス、マーシャル諸島だが、これら5カ国を合わせた以上に大きい。
蔡総統もソロモン諸島との外交関係断絶について16日に会見し、「我々は中国と国交を樹立するとの同国政府の決定を心から遺憾に思い、強く非難する。」と述べ、17日に在ソロモン諸島台湾大使館を閉鎖し、現地に駐在する全ての職員を呼び戻すと発表した。
蔡総統は、現地の開発協力プロジェクトが未完であることは非常に残念であり、ソロモン諸島の国民にとって損失となるとした上で、中国が太平洋地域で台湾に圧力をかけるために、「金銭外交」を展開していると批判。「過去数年間に、中国は絶えず台湾の国際的な場を抑制するために、常に金銭面や政治面での圧力を用いてきた。」と非難した。
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