ドナルド・トランプ大統領は、特に対中国、対イランに厳しい対応を取っている。その中でも、貿易紛争を仕掛けている中国に対しては、インド太平洋地域での影響力増大に大きな懸念を抱いている。そこで同大統領としても、第二次大戦で旧日本軍と一緒に戦った、米国の伝統的同盟国である豪州との連携は重要と捉えている。それは、同国首相をホワイトハウスで迎えた上、同大統領としてはフランス大統領に続く2度目となる公式晩餐会開催に現れている。フロリダ州別荘やゴルフ場での会談に止まる我が安倍首相とは、期待値に差がある模様である。
9月20日付米
『ブルームバーグ』オンラインニュース:「トランプ大統領、豪州首相の歓迎晩餐会でも中国の影響力増大が主要懸念事項」
ドナルド・トランプ大統領は9月20日、豪州のスコット・モリソン首相をホワイトハウスに迎えて会談した。
更に同夜、同大統領として、昨年4月のフランスのエマニュエル・マクロン大統領に続いて、就任後2度目の公式晩餐会で歓迎した。
豪州は米国にとって、第二次大戦時、旧日本軍と一緒に戦った伝統的同盟国である(編注;それ以降、豪州は朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争、イラク戦争で米軍に友軍を派遣)。...
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9月20日付米
『ブルームバーグ』オンラインニュース:「トランプ大統領、豪州首相の歓迎晩餐会でも中国の影響力増大が主要懸念事項」
ドナルド・トランプ大統領は9月20日、豪州のスコット・モリソン首相をホワイトハウスに迎えて会談した。
更に同夜、同大統領として、昨年4月のフランスのエマニュエル・マクロン大統領に続いて、就任後2度目の公式晩餐会で歓迎した。
豪州は米国にとって、第二次大戦時、旧日本軍と一緒に戦った伝統的同盟国である(編注;それ以降、豪州は朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争、イラク戦争で米軍に友軍を派遣)。
2001年の9.11同時多発テロ発生時においても、中東のテロ組織アル・カイーダとの戦闘にいの一番に支援を表明したのが、豪州のジョン・ハワード首相(当時)であった。
かかる背景から、ジョージ・W.・ブッシュ大統領(当時)は2006年、ハワード首相訪米時に、豪州首脳を初めて公式晩餐会に招待している。
このような経緯もあって、トランプ大統領としても、豪州との連携は重要と考えている模様で、特に最近の中国による南シナ海から南太平洋地域(米国にとって政治的支配地域で豪州にとっては玄関口)への進出に対して、協力して対抗していこうと考えている。
特に、同大統領が支援をしている台湾に対して、9月16日に南太平洋島嶼国のソロモン諸島が国交を断絶して中国に乗り換えると表明したのに続いて、9月20日にも同じく南太平洋のキリバスが断交を表明している。
そこで両国連携の上、南太平洋地域におけるインフラ投資や様々な資金援助によって、中国の影響力減殺を図っていこうとしている。
その他、両国の緊密な関係を表す事例は以下のとおり:
・月探査:2024年までに月面探査に着手する米連邦宇宙局(NASA)計画に豪州宇宙機関が参画。
・レアアース開発:米中貿易紛争で中国産レアアース入手が困難なことから、米国による豪州産レアアース開発を推進。
更に、モリソン政権は先月、対イラン強硬策の一環で米国が主導する、ホルムズ海峡を航行する船舶の安全を確保する有志連合への参加を決定している。
なお、トランプ大統領が大方の予想に反して当選したように、モリソン首相も今年5月の総選挙で、当初世論調査で労働党有利とされていたのに保守連合が勝利を収めたことに共感を覚えた模様で、同大統領から同首相宛に“偉大な勝利”との祝辞を伝えている。
9月21日付豪州『ABCニュース』:「ドナルド・トランプ大統領が主催したスコット・モリソン首相の公式晩餐会に米国・豪州の著名人が出席」
トランプ大統領は9月20日、豪州首脳としては2006年当時のハワード氏以来2度目となる、モリソン首相を招待しての公式晩餐会を主催した。
また、同大統領としても、昨年のマクロン大統領に続いて2人目となる国賓を迎えての晩餐会となる。
なお、同晩餐会には、米国・豪州の著名人が多数招待されている。
まず、豪州からは、プロゴルファーのグレッグ・ノーマン氏、有名シェフのカーティス・ストーン氏、2018年の時の人に選ばれたミッシェル・シモンズ量子物理学教授などである。
一方、米国からは、元ニューヨーク市長で現在トランプ大統領の顧問弁護士のラディ・ジュリアーニ氏、ニクソン政権及びフォード政権期の国家安全保障問題担当大統領補佐官だったヘンリー・キッシンジャー氏、そして共和党議員らである。
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