【Globali】
中東レバノンで4日間連続して大規模な反政府デモ(2019/10/21)
中東のレバノンで、政府が「ワッツアップ」などの通信アプリに新たに課税する方針を打ち出した。このことがきっかけに、ここ数年以来の大規模な抗議デモが各地に拡がっており、死傷者が出る事態になっている。
『BBC』によると、20日日曜日、4日間連続で数十万人が政府に対する抗議デモを行っている。抗議は、「ワッツアップ」などSNS通話に課税する案がきっかけとなり始まったもので政府はすぐに課税案を撤回したが、抗議活動は続いている。
低成長と多額の負債に苦しむ中、レバノン政府による緊縮政策が国民の怒りを引き起こし、インフラの劣化によって、停電やごみの未回収が日常化している。『フランス アンフォ』によると、レバノンでの若者の失業率は40%に近く、人口の4分の1以上が最低の貧困生活を送っているという。...
全部読む
『BBC』によると、20日日曜日、4日間連続で数十万人が政府に対する抗議デモを行っている。抗議は、「ワッツアップ」などSNS通話に課税する案がきっかけとなり始まったもので政府はすぐに課税案を撤回したが、抗議活動は続いている。
低成長と多額の負債に苦しむ中、レバノン政府による緊縮政策が国民の怒りを引き起こし、インフラの劣化によって、停電やごみの未回収が日常化している。『フランス アンフォ』によると、レバノンでの若者の失業率は40%に近く、人口の4分の1以上が最低の貧困生活を送っているという。また、外国からの支援金は政治家たちの懐に流れ、経済を立て直すために使用されていないという批判が国民から出ており、腐敗に対する不満が溜まっている。こうした状況の中提案されたSNS課税案は、国民を抗議活動に導いた。
今回の抗議活動で際立つ特徴は、デモ参加者が宗派間の分断を超えて互いに団結して国の指導者たちに対し抗議している点である。『クーリエ・アンテルナショナル』は、デモ参加者たちは貧困生活を送る人々や失業者だけでなく、裕福層の人々、キリスト教徒、イスラム教徒、若者、老人、学生、労働者、会社役員など様々な生活背景の人々が集まっているという。こうした人々は一つの目的のために、国の指導者たちの腐敗に対して「ノー」をつきつけるために、集まっているという。
デモの拡大を受けて、ハリリ首相は20日になって国営企業の民営化や政治家の給与削減などによる財政改革案を表明し21日に閣議で承認される予定となっている。しかし、デモ参加者たちは政府に対し退陣要求を迫っており、事態が収束する気配はない。
閉じる
その他の最新記事