イランのロウハニ大統領は10日、中部ヤズドで演説し、南西部のフゼスタン州で530億バレルの埋蔵量が見込まれる大規模な油田が発見されたことを明らかにした。これによりイランの埋蔵量は3割以上増加する可能性がある。
『AFP通信』や
『AP通信』、米
『CNN』などの報道によれば、この油田はイランで第2位の規模となる巨大なものであり、面積は2,400平方キロメートル、深さは80メートル。フゼスタン州のイラク国境から同州の都市オミディエまで200キロメートル近くにわたって広がり、530億バレルの原油埋蔵量を擁することが見込まれるという。
英石油大手BPは、本油田の発見により、イランの現在1556億バレルの確認原油埋蔵量が、約34%増加すると推定している。...
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『AFP通信』や
『AP通信』、米
『CNN』などの報道によれば、この油田はイランで第2位の規模となる巨大なものであり、面積は2,400平方キロメートル、深さは80メートル。フゼスタン州のイラク国境から同州の都市オミディエまで200キロメートル近くにわたって広がり、530億バレルの原油埋蔵量を擁することが見込まれるという。
英石油大手BPは、本油田の発見により、イランの現在1556億バレルの確認原油埋蔵量が、約34%増加すると推定している。イランは石油輸出国機構(OPEC)の設立当初からの加盟国であり、その原油埋蔵量は現在世界第4位だが、本油田の埋蔵量が確認されれば、カナダを抜いて、ベネズエラ、サウジアラビアに次ぐ第3位に浮上する。
ロウハニ大統領は、国営テレビで放送された中部の都市ヤズドでの演説で、「これは政府からイラン国民へのささやかな贈り物だ。」と述べ、国の指導者や金融業界に対する米国の制裁にもかかわらず、同国経済は安定していると強調した。
ロウハニ師は、「我々は本日米国に対し、わが国が豊かな国家であり、米国の敵意や残酷な制裁にもかかわらず、イラン石油業界の労働者や技術士らが、この素晴らしい油田を発見したことを宣言する。」と敵対するトランプ米政権への対抗心をあらわにした。
イランは世界有数の石油産油国であるほか、天然ガス埋蔵量でも世界第2位の資源大国である。しかしながら、同国が新油田の発見によりどの程度利益を得られるかは不透明だ。昨年、トランプ政権が2015年のイラン核合意から離脱し、同国への経済制裁を再開して以来、イランは石油の輸出が思い通りできなくなった。同国は米国への対抗措置として、核開発計画を加速化する一方、核合意の他の参加国に合意を順守するよう求めている。
ロウハニ大統領は、10日の演説で経済の安定性を主張したが、イラン経済は米国の制裁などによって今年急激に失速し、同国の通貨は下落、輸入品価格が高騰し、インフレ率が急上昇した。国際通貨基金(IMF)はイランの今年の経済成長率について、1980年代のイラン・イラク戦争時以来の大きな減速となるマイナス9.5%を見込んでいる。
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