米スタンフォード大の研究者らは13日、米医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に、米IT大手アップルの腕時計型端末「アップルウォッチ」が、心臓疾患の可能性を見極めるのに有効であるとの研究結果を発表した。
『ロイター通信』や米
『CNBC』の報道によると、研究者グループは、同研究の期間中にアップルウォッチを契約し、装着した40万人以上を対象に、8カ月にわたり同端末の心拍センサーとアルゴリズムの機能を調査した。ハイテク機器が医療に使用できるかを検証するための調査としては、過去最大規模のものである。
アップルウォッチなど体に装着可能な「ウエアラブル端末」は、利用者の健康管理を主要機能の1つとしている。...
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『ロイター通信』や米
『CNBC』の報道によると、研究者グループは、同研究の期間中にアップルウォッチを契約し、装着した40万人以上を対象に、8カ月にわたり同端末の心拍センサーとアルゴリズムの機能を調査した。ハイテク機器が医療に使用できるかを検証するための調査としては、過去最大規模のものである。
アップルウォッチなど体に装着可能な「ウエアラブル端末」は、利用者の健康管理を主要機能の1つとしている。アップルも最近発売した端末には、心拍数などを測定し、利用者に健康情報を直接提供する機能を搭載している。
今回の研究結果によると、参加者の0.5%に不規則な脈拍が検知され、パッチ型の心電図取得装置を送って装着してもらい、さらに調査したところ、そのうち34%に不整脈では比較的一般的で、脳梗塞のリスクが高まる可能性のある「心房細動」が検出されたという。
研究者らは、アップルウォッチを使用することにより、心房細動の精密な検知が可能になると評価するとともに、不規則な脈拍が検知された参加者の割合が0.5%と少なかったことから、健康な参加者に対し、不整脈がある可能性を不必要に警告してしまうという懸念が薄らいだと説明した。
本研究結果は期待できるものだが、専門家らは未だ、ウエアラブル端末を心房細動の兆候を監視するツールとして用いるべきと考えるには至っていない。検知するのに有効であるとしても、検知された人々に対する治療方法が必ずしも定まっていないとの懸念があるからだ。これは特に、若い人や健康への他のリスク要因を抱えていない人などに当てはまる。ハイテク機器の進化は、医療現場での対応能力に大きく先行している。
IT企業は、個人の健康に関するリアルタイムのデータを大量に収集すべく、医薬品メーカーとの提携を加速化している。米アルファベット傘下のグーグルは今月、ウエアラブル製品を手掛けるフィットビットの買収を発表したが、フィットビットは10月、米製薬大手ブリストル・マイヤーズ・スクイブおよびファイザーの両社と、心房細動の検出技術の開発で提携している。
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