プラハの中心地、レトナ公園に集まったデモ参加者は、チェコ国旗とバビス首相の退陣を求める横断幕を振りかざした。

旧体制の共産党員で、1980年代には秘密警察に務めたとされる、民族主義者のバビス首相（65才）は度重なる汚職の非難を受け、欧州委員会からは、昨年、EU補助金を首相の公的権限で自分の企業グループのために利用した疑いに関し、調査を受けている。...

プラハの中心地、レトナ公園に集まったデモ参加者は、チェコ国旗とバビス首相の退陣を求める横断幕を振りかざした。

旧体制の共産党員で、1980年代には秘密警察に務めたとされる、民族主義者のバビス首相（65才）は度重なる汚職の非難を受け、欧州委員会からは、昨年、EU補助金を首相の公的権限で自分の企業グループのために利用した疑いに関し、調査を受けている。

すなわち、バビス首相は、昨年、EUからの補助金200万ユーロ（＝約2.4億円）を自企業のプラハ近郊のホテル資金に流用したとして起訴されたが、プラハの検察局は、不起訴の判断を下している。

一方、バビス首相は、度重なる汚職を否定しており、デモ集会の喧騒とは関係なく、首相の民族主義政党ANOは世論調査で、最高となる30％の支持率を得ている。

ところで、ANO党は、2017年の国会議員選挙で、政界汚職の排除を掲げて勝利を治めたが、2年後の現在、皮肉なことに首相の政治汚職を非難されて、首相の退陣を迫られている。

チェコ東部からデモ集会に参加した43才の営林署員は、「首相の噓の発言にはうんざりしている。首相の不正や度重なる汚職とごまかしは、もうたくさんだ。」と語った。