イタリアの首都ローマで14日、若者が主導する政治改革運動「イワシ運動」によるデモが行われた。同運動は、前政権の副首相だったサルビーニ氏に対する抗議活動として、1カ月ほど前に始まったばかりだが、一部メディアによれば、学生、年金生活者、子どものいる家族など約4万人がデモに参加したという。
『AFP通信』や
『ロイター通信』などが報じた「イワシ運動」とは、イタリアの前連立政権で副首相兼内相を務め、移民を厳しく取り締まった極右のマッテオ・サルビーニ氏に対する抗議活動である。大きな敵と戦うために密集して集団で泳ぐイワシの習性や、非暴力の抗議活動が魚のように静かに行われることから、その名が付けられた。
サルビーニ氏率いる右派ポピュリズム、反移民政党の「同盟」は10月、中部ウンブリア州の知事選で歴史的な勝利を挙げた。...
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『AFP通信』や
『ロイター通信』などが報じた「イワシ運動」とは、イタリアの前連立政権で副首相兼内相を務め、移民を厳しく取り締まった極右のマッテオ・サルビーニ氏に対する抗議活動である。大きな敵と戦うために密集して集団で泳ぐイワシの習性や、非暴力の抗議活動が魚のように静かに行われることから、その名が付けられた。
サルビーニ氏率いる右派ポピュリズム、反移民政党の「同盟」は10月、中部ウンブリア州の知事選で歴史的な勝利を挙げた。同州は半世紀にわたり左翼が優勢だったところだ。サルビーニ氏は現在、もう1つの左翼の牙城である北東部の豊かな地方、エミリア・ロマーニャ州にも攻め入ろうとしている。同州の知事選が1月26日に予定されており、世論調査によれば、同盟の候補者が中道左派の現職に迫る勢いを見せている。
イワシ運動は、こうして勢力を拡大するサルビーニ氏と同盟に対し、エミリア・ロマーニャ州の州都ボローニャで1カ月前に開始された。無名活動家4人が企画したサルビーニ氏の「憎悪と分断」の政策を非難するデモに1万5,000人もの参加者があり、皆が驚いた。
その後、ミラノ、フィレンツェ、ナポリ、パレルモなどでもデモが実施され、数万人が参加した。同運動の創設者の1人、マッティア・サントーリ氏は、運動は伝統的な政治政党とは違い、「階層関係のない組織」で「幅広い方向性」を持ち、「より自由で、自発的な形態を通じ、新たなエネルギーをもたらす」ものにしたいと述べた。
右派ポピュリズムに反対するサントーリ氏は、「最初はサルビーニ氏に反対する運動だったが、その後民主主義を再確認するものとなった。我々は反ファシストで、平等主義であり、不寛容や同性愛嫌悪に反対している。」との立場をメディアに説明している。
サントーリ氏は32歳の経済学者であり、運動の他の創設者らも34歳の旅行ガイド、31歳のエンジニアなどと若い。彼らは政治をクールなものにしたいと話す。同運動のローマ代表者でケニア出身の45歳のジャーナリスト、スティーブン・オゴンゴ氏は、今回のデモを約2週間前にフェイスブックで呼びかけたが、参加希望者が殺到し驚いたと語った。
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