15日、プーチン大統領は年次教書演説冒頭からロシアの憂慮すべき人口減少の状況に言及。人口減少に対する危機感を表明し、出生率引き上げのための措置を発表した。少なくとも4,000億ルーブル(約7,000億円)の費用がかかると予測されている。
『ロシアトゥデイ』によると、ロシア大統領は、国民の大部分が低所得であることは「特に深刻な」問題であり、ロシアの将来の人口状況に対する「直接的な脅威」を構成していると発言。子育て中の家庭を支援するための一連の金銭的支援策を発表した。
まずは、2007年に開始され、もともと2021年に終了する予定だった「母親基金」と呼ばれる養育手当を2026年までに延長することを発表。 また第二子から支給対象だった手当を第一子も対象とし、至急対象を拡大した。...
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『ロシアトゥデイ』によると、ロシア大統領は、国民の大部分が低所得であることは「特に深刻な」問題であり、ロシアの将来の人口状況に対する「直接的な脅威」を構成していると発言。子育て中の家庭を支援するための一連の金銭的支援策を発表した。
まずは、2007年に開始され、もともと2021年に終了する予定だった「母親基金」と呼ばれる養育手当を2026年までに延長することを発表。 また第二子から支給対象だった手当を第一子も対象とし、至急対象を拡大した。更に受給額もこの1月より、第一子には約47万ルーブル(約84万円)とし、第二子の出生時には15万ルーブル(約27万円)が追加されることになった。
今回の措置以前にすでに子供がいて、今後新しい子供の誕生を予定している家庭には、2つの合計金額、ほぼ110万円を一度に受け取れるという。
また、3人目の子供が生まれれば、45万ルーブル(約81万円)までの住宅ローンの返済、子供3人で100万ルーブル(約180万)までの返済などを継続して提供する。
『ルフィガロ』によると、プーチン大統領は演説で、ロシアが経験している人口減少の危機は、国の未来に対する脅威であると述べた。「私たちは現在1億4700万人だが、良くない人口推移期間に入っている」と指摘。出生率低下に伴う今後の人口減少は懸念すべきものであり、 ロシアの運命と歴史的展望は、人口数にかかっていると述べた。
ロシアは、ソビエト連邦の崩壊後、深刻な人口動態の危機に陥り、1991年以来500万人以上減少している。回復期間を経た後、2018年以降再び人口は減少している。ソビエト崩壊直後に出生率が低下し、その時代に生まれた世代が、子供を持つ年齢に達しつつあるためだ。更に2019年には出生率が1.5人に落ちている中、自然な人口増加は見込めない。
プーチン大統領は、今回の出生率向上措置を通して、2024年までに1.7人に回復することを目標にしているという。
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