トランプ米大統領は22日、欧州連合(EU)が米国との貿易協定をめぐる交渉で譲歩しなければ、欧州からの輸入車に高額の関税を課すと再び圧力をかけた。トランプ氏はこれまで、交渉材料として関税導入の意向を示してきたが、実際の導入は先送りしてきた。
『ロイター通信』や
『AFP通信』などによると、米国で弾劾裁判の審理が進むなか、スイスのダボスで開催されている世界経済フォーラムの年次総会に出席中のトランプ氏は、中国との貿易交渉が一区切りした後、再びEUに対する関心を高め、攻撃的な態度を表している。同氏は、11月の大統領選までにはEUとの協定締結は可能との見方を示した。
トランプ氏は、米ケーブルテレビの経済ニュースチャンネル、FOXビジネスのインタビューに応じ、「EUとの交渉はどこの国より厳しい。...
全部読む
『ロイター通信』や
『AFP通信』などによると、米国で弾劾裁判の審理が進むなか、スイスのダボスで開催されている世界経済フォーラムの年次総会に出席中のトランプ氏は、中国との貿易交渉が一区切りした後、再びEUに対する関心を高め、攻撃的な態度を表している。同氏は、11月の大統領選までにはEUとの協定締結は可能との見方を示した。
トランプ氏は、米ケーブルテレビの経済ニュースチャンネル、FOXビジネスのインタビューに応じ、「EUとの交渉はどこの国より厳しい。彼らは我が国を長年利用してきた。」と批判し、「最終的には交渉は非常に簡単なものとなるだろう。もし合意できなければ、EUの自動車に25%の関税をかけざるを得ないわけだから。」と続けた。
トランプ氏は21日、ダボスで欧州委員会のウルズラ・フォンデアライエン新委員長と会談した。米ニュース専門局CNBCのインタビューでは、「素晴らしい人物で、非常に良い会談ができた。しかし、我々が交渉で何も得られなければ、何らかの措置を講じねばならず、我が国に輸入される欧州の自動車などの製品に高額の関税を課すことになるだろうと言った。」と明かした。
フォンデアライエン委員長は、トランプ氏とのダボスでの会談は非常に良い機会だったとしており、トランプ氏とともに、貿易やテクノロジーなど幅広い分野で続けられている交渉の見通しについて、慎重な見方を維持しながらも、結果を楽観視する姿勢がみられた。
米国は、フランスなどのEU諸国が導入を検討しているデジタル課税は米IT企業を直撃すると反発し、対抗措置として、自動車のほかシャンペンからハンドバッグに至るまで、フランスの商品に最高100%の関税をかけるなど圧力をかけている。トランプ大統領は、EUは貿易に関しディール(取引)をしなければならないとCNBCに語った。
トランプ氏はまた、ジョンソン英首相との貿易交渉の準備もできているとして、「ボリスと私は友人だ。そして、彼はディールを望んでおり、私もそれで良い。我々は既に交渉を始めている。」と述べた。英国は月末にEUを離脱するが、ジョンソン首相は、EU域外に出ることのメリットの1つに、米国などとの貿易交渉を自ら行えることを挙げている。
閉じる