クルーズ運航大手のロイヤル・カリビアン・クルーズは13日、新型コロナウイルスの感染が拡大している状況を受けて、東南アジアで18クルーズの運航を中止したことを発表した。これにより同社の通期利益に大きな影響が生じる見込みだという。
『ロイター通信』や
『ブルームバーグ』、経済誌などが報じた。ロイヤル・カリビアンは先週、3月4日までの中国発の8クルーズの中止を発表し、この結果、今年の第1四半期の利益が1株当たり0.25ドル減少するとの見通しを示していた。
同社は13日、東南アジアでの18クルーズの運航中止は、通期利益を1株当たり0.65ドル押し下げるとして、もし4月末までアジアでの残りの全てのクルーズを取り止めた場合、1株当たりの通期利益はさらに0.55ドル減少するとの予測を明らかにした。...
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『ロイター通信』や
『ブルームバーグ』、経済誌などが報じた。ロイヤル・カリビアンは先週、3月4日までの中国発の8クルーズの中止を発表し、この結果、今年の第1四半期の利益が1株当たり0.25ドル減少するとの見通しを示していた。
同社は13日、東南アジアでの18クルーズの運航中止は、通期利益を1株当たり0.65ドル押し下げるとして、もし4月末までアジアでの残りの全てのクルーズを取り止めた場合、1株当たりの通期利益はさらに0.55ドル減少するとの予測を明らかにした。
ロイヤル・カリビアンは以前、2020年の調整後1株利益を10.40~10.70ドルと見込んでいたが、これには新型コロナウイルスの影響は織り込まれていない。ブルームバーグによると、アナリストらは今年の1株利益を10.21ドルと予測していた。
世界最大手のクルーズ運航会社カーニバルも、中国発のクルーズを中止したのに続き、今週、感染拡大でアジアの他のクルーズも中止を余儀なくされた場合には、2020年通期の1株利益に0.55~0.65ドルの影響が出るとの見通しを発表している。
中国湖北省に始まった新型コロナウイルスによる肺炎は、渡航制限や感染への恐怖から、アジア地域への旅行の大量キャンセルにつながり、クルーズ運航会社の売り上げを直撃している。感染者が殆ど確認されていない地域にも影響が及んでおり、感染拡大への懸念から、クルーズ船は厳しい検疫を受け、入港を拒否されるなどの事態も生じている。ロイヤル・カリビアンは、懸念は実際にアジアを越えて広がっており、他の地域の予約にも影響が出ていると指摘した。
同社は、世界保健機関(WHO)や米疾病対策センター(CDC)ほか、世界の保健当局と定期的に連絡を取り、乗客・乗員を守るための対策を講じていると説明している。同社のリチャード・フェイン最高経営責任者(CEO)は声明で、「全ての組織が責任ある行動を取ることが重要であり、当社は乗船制限や旅程変更により、既にリスク最小化のための積極的な措置を講じている。公衆衛生への取り組みは揺るぎない。」と述べた。
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