5日前の報道時よりも、新型コロナウィルス(COVID-19)感染者は一日当たり11万人余り、死者も4千人近く増え続け、それぞれ637万8,237人、38万251人(致死率5.96%)と勢いは衰えていない(米ジョンズ・ホプキンス大学集計の6月3日午後0時半現在データ引用)。
6月3日付
『AP通信』他:「COVID-19感染流行問題に関わる直近の状況」
<注目ニュース>
●世界保健機関(WHO);事務局長は中国称賛も、感染症対策チーム事務局は中国の情報統制に不満を表明していたことが判明。
●国連;経済社会理事会(ECOSOC、1945年設立)トップ、主要20ヵ国(G-20)がウィルス禍に喘ぐ貧困国に対する債権について、年末まで猶予することに同意した110億ドル(約1兆1,770億円)に加えて、更に200億ドル(約2兆1,400億円)の債務弁済に窮余する状況だと強調。
●フランス;外出自粛措置令が続く中、パリでも4年前に警察による黒人暴行死事件発生しており、全米デモを契機にパリ他大都市で数万人規模のデモ発生。
●英国;疫学研究第一人者、9月以降の感染再爆発を懸念。
●日本;緊急事態宣言解除後1週間で、東京都知事が“東京アラート(感染再拡大懸念)”発信。
<WHO>
・1月中~下旬、テドロス・アダノム・ゲブレシラシエ事務局長は、COVID-19感染流行問題に関わり、中国側の情報提供、速やかな対応等を称賛。
・しかし、同機関の感染症対策チーム内では、1月当初から中国側の情報統制に遭い、調査チーム受け入れも拒否されていたとして、不満の声が上がっていたことが『AP通信』の取材で判明。
<国連>
・ECOSOCのモナ・ユール議長(61歳、ノルウェー国連大使)は6月2日、G-20に対して、COVID-19問題で困窮している貧困国宛の債権について、更なる協力が必要だと強調。
・G-20はこれまで、110億ドルの債権を年末まで猶予することに合意しているが、これら貧困国は更に年内到来の200億ドルの債務弁済に窮余していると付言。
<フランス>(感染者18万8,450人、死者2万8,943人、致死率15.4%)
・数万人のデモ隊が6月2日、パリ市庁舎周辺に集まり、都市封鎖措置に伴う警察の行き過ぎた取り締まりに抗議。
・更に、米国のミネソタ州で発生した白人警官による黒人被疑者の暴行死事件と同様、2016年にパリで発生した同様の事件(黒人のアダマ・トラオレ氏、当時24歳が窒息死)が未解決であることから、デモ隊はこれに対しても抗議。
・一方、警察側は、依然10人以上の集会は禁止だとして、デモ隊側に応酬。
<英国>(感染者27万9,392人、死者3万9,452人、致死率14.1%)
・疫学研究第一人者でインペリアル・カレッジ・ロンドン(1907年設立の公立大学)のニール・ファーガソン教授は、夏までにCOVID-19感染状況は落ち着くとみているが、9月以降は“全く不明”とコメント。
・同教授は、政策や生活様式の大胆な変更がなくば、9月に感染再爆発の可能性もあると警鐘。
<日本>(感染者1万6,837人、死者902人、致死率5.4%)
・小池百合子東京都知事は6月2日、一日の感染者が34人に上ったことから、“東京アラート”を発信し、今一度の感染防止対策徹底を要請。
・東京都等大都市圏の緊急事態宣言は5月25日に解除され、それ以降暫く感染者数は漸減傾向にあった。
・なお、東京都が定めるステップ2に定義される、映画館、フィットネスジム、その他事業は再開されているが、ステップ3に属するナイトクラブ、カラオケバー、その他密となる営業店は依然休業要請のただ中。
<ロシア>(感染者42万3,186人、死者5,031人、致死率1.2%)
・ウラジーミル・プーチン大統領は、経済立て直しのための特別支援策の早急なる実施を明言。
・これに基づき、ミハイル・ミシュスチン首相は6月2日、2021年12月までで5兆ルーブル(約730億ドル、約7兆8,110億円)の財政支出案を策定。
・一方、同大統領は、感染のピークは過ぎたとして、3月下旬より導入した都市封鎖措置の段階的解除を示唆。
・しかし、専門家は、依然一日の感染者が9千人レベルで増えており、拙速な解除は新たな感染爆発を生むと警鐘。
<イタリア>(感染者23万3,515人、死者3万3,530人、致死率14.4%)
・直近の感染者増加の度合いが漸減してきたとして、当局は6月3日に旅行自粛命令を解除し、主として欧州各国からの来訪者受け入れも開始。
・一方、当局公表数値の死者数について、介護施設や自宅で死亡した高齢者についてCOVID-19感染有無を調査していないことから、当局も実際のCOVID-19による死者数は更に多い可能性があることを認めている。
<中国>(感染者8万3,021人、死者4,634人、致死率5.6%)
・6月3日、新たに4人の感染者が報告されたが、1人は外国からの帰国者、3人は陰性となっていた元感染者。ただ、これまでの公式記録より統計間違いで5人減少となったため、合計では1人減。
・一方、死者ゼロが継続。
<韓国>(感染者1万1,590人、死者273人、致死率2.4%)
・直近1週間で感染者増が継続発生。特に、ソウルの繁華街や電子商取引業者倉庫に集中。
・そこでソウルを含めた大都市市長らは、数千に及ぶナイトクラブ、ホステスのいるバー、カラオケルーム、教会及び結婚式場の閉鎖を決定。
・一方、5月20日に高校最上級生の授業再開に続いて、高校下級生、中学校、小学校を予定どおり6月3日に再開。
<アラブ首長国連邦>(感染者3万5,788人、死者269人、致死率0.8%)
・ドバイ首長国は6月3日、ショッピングモール、公園、ジムやその他商業施設の全店再開許可。
・但し、市民は公共の場でのソーシャルディスタンス、マスク着用義務。
・また、モスク、公共プール、遊園地、託児所、学校は依然閉鎖のまま。
・一方、アブダビ首長国では、6月2日より1週間、都市圏の出入りを制限すると発表。
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