23日、ドイツ西部にあるノルトライン=ヴェストファーレン州のギュータースロー郡とヴァーレンドルフ郡での新型肺炎の集団感染に伴い、両郡での経済活動に制限措置が再導入された。ヨーロッパで最大の食肉処理場で集団感染が発生し、従業員1,500人以上の感染が確認された。
『AFP』によると、制限措置は6月30日まで再導入される。人と人との接触制限、またカフェ、映画館、美術館、ジム、プール、および密閉空間での活動が禁止となり、ギュータースロー郡に住む約36万人、および近隣のヴァーレンドルフ郡に住む約28万人が対象となる。
ドイツはこれまでイタリアやフランスなど他のヨーロッパの国に比べて感染爆発を抑えることができていた。今回6,700人を雇用する食肉処理場が大規模な集団感染の場となり衝撃が拡がっている。...
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『AFP』によると、制限措置は6月30日まで再導入される。人と人との接触制限、またカフェ、映画館、美術館、ジム、プール、および密閉空間での活動が禁止となり、ギュータースロー郡に住む約36万人、および近隣のヴァーレンドルフ郡に住む約28万人が対象となる。
ドイツはこれまでイタリアやフランスなど他のヨーロッパの国に比べて感染爆発を抑えることができていた。今回6,700人を雇用する食肉処理場が大規模な集団感染の場となり衝撃が拡がっている。年間66億ユーロ(約7600億円)の売上高を誇り、50%を輸出が占めるこの食肉処理場の、全従業員に対し隔離措置がとられた。そのうち21人が入院しており、6人が集中治療室で治療を受けている。
集団感染が起きた食肉処理場の従業員の多くは、ブルガリアとルーマニアからの出稼ぎ労働者であり、密接が避けられない寮で集団生活をしている。ドイツ政府は食肉工場での感染防止対策を強化する方針を決定した
英『インデペンデント』によると、ノルトライン=ヴェストファーレン州のラシェット首相は記者会見で「これは限定的な予防措置だ。感染の安全性が確認でき次第、できるだけ早く解除したい」と述べた。
しかし今回の集団感染により、金曜日には1.06だった「基本再生産数」が日曜日には2.88に飛躍し、現在は2.76となっている。
ドイツのメルケル首相は4月に、1人の感染者が何人に直接感染を広げる可能性があるかを示す「基本再生産数」が、継続的に1.3以上を保つ場合は、2ヵ月で国内の病院の受け入れ能力を感染者数が上回る可能性があると警告している。
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