8月11日付ロシア
『RT』は「世界初のCovid-19ワクチン。スプートニクVについて」との見出しで以下のように報道している。
火曜ロシアのプーチン大統領が世界初のコロナワクチン「スプートニクV」を登録したことを発表。娘の1人もワクチンを打ったという。モスクワの「国立ガマレヤ疫学・微生物学研究所」が別の6つのワクチンプラットフォームを基に開発した。保健省は「スプートニクV」を注射液として登録。...
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8月11日付ロシア
『RT』は「世界初のCovid-19ワクチン。スプートニクVについて」との見出しで以下のように報道している。
火曜ロシアのプーチン大統領が世界初のコロナワクチン「スプートニクV」を登録したことを発表。娘の1人もワクチンを打ったという。モスクワの「国立ガマレヤ疫学・微生物学研究所」が別の6つのワクチンプラットフォームを基に開発した。保健省は「スプートニクV」を注射液として登録。臨床試験の結果、高い効果と安全性が確認されたとする。治験者全員がCovid-19への高い抗体を獲得し、ワクチン投与後、誰も重度の合併症を発症していないという。免疫効果は最大2年で、近いうちにワクチンを大量生産する予定。液剤は保健省のガマレヤ研究所と、国内のバイオ医薬品会社Binnopharmの2か所で生産。外国からワクチン供給要請を受けている。最初のワクチン接種は医療従事者や教師が対象とされ、医療従事者へは8月下旬か9月に開始予定。一般市民が摂取可能になるのは2021年1月となる予定。ワクチン接種は任意。
8月12日付米国『ワシントンポスト』は「ロシアがコロナワクチン“スプートニクV”を公表。最終治験前に世界的競争で躍進と主張」との見出しで以下のように報道している。
ロシアが最終治験終了まえに、コロナワクチンを公表した。数週間後には教師や医療の最前線に従事する人々数万人に接種する予定だという。しかしロシアの強行開発に、世界の保健専門家は警鐘を鳴らしている。
安全性と有効性を見極めるのに需要な大規模な臨床試験を飛ばし、研究所の詳細な情報は殆ど公開されず、相互評価も行われていない。ワクチン開発競争は、ワクチンを国家主義に利用される懸念が高まっている。ロシアには西欧への依存を避け、ワクチン開発競争でリードすることで地政学的影響力を高めようという意図がある。それはこのワクチンの名称を旧ソ連時代の世界初の人工衛星にした点にも表れている。外部の研究者が知り得ている情報は、2次的情報源からのものであり、医学研究からのものでない。 ロシアの科学研究では慣例的に秘匿性を持ったこのようなやり方であった。パンデミックで急を要し、世界各国でワクチン開発が進んでいる中、ロシアの動きは安全性が確証できないワクチン開発の方向へ他国に圧力を与えかねない。
ロシアの臨床試験は、現代では稀な小規模人数で、実際の開発研究者、ロシア軍関係者50人、そしてボランティアである。今月末に、第1段階、第2段階の治験結果が公表される。ロシアの直接投資基金(RDIF)のキリル・ドミトリエフCEOは、ワクチンの可能性に期待しており、自分、妻、70歳以上の両親も被験者だとし、妻は摂取初日に微熱が出たとしている。数千人規模の第三段階の治験も行う予定とし、ロシアと同時に、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(他可能性としてブラジルやフィリピン)でも平行試験が予定されているという。
ブラジルのパラナ州が、ロシアのワクチンを11月に生産開始すると発表。
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