国連人権理事会の独立調査委員会は、9年に及ぶ内戦が続くシリアで、市民に対する拷問、性暴力、殺人などの人道に対する罪がいまだに犯され続けているとする報告書を公表した。
報告書は、アサド政権だけでなく、トルコが支援する反政府勢力も同様に行っていることを指摘しており、治安改善のためより努力するようトルコに求めている。
カタールの
『アルジャジーラ』によると、第21回目となる国連の独立調査委員会のシリアに関する報告書は、538人のインタビュー、資料、衛星画像、その他の証拠に基づいて作成された。
報告書は、反政府勢力の支配下にあるイドリブ地域で反政府勢力と政府およびその同盟軍との間で3月の停戦合意以降も停戦がほぼ維持されている2020年前半に行われた調査結果をまとめたものである。
調査委員会によると、内戦が始まった2011年以降、暗殺やレイプが増加傾向にあるという。...
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カタールの
『アルジャジーラ』によると、第21回目となる国連の独立調査委員会のシリアに関する報告書は、538人のインタビュー、資料、衛星画像、その他の証拠に基づいて作成された。
報告書は、反政府勢力の支配下にあるイドリブ地域で反政府勢力と政府およびその同盟軍との間で3月の停戦合意以降も停戦がほぼ維持されている2020年前半に行われた調査結果をまとめたものである。
調査委員会によると、内戦が始まった2011年以降、暗殺やレイプが増加傾向にあるという。
報告書では、アサド政権が「強制失踪、殺人、拷問、性的暴力、投獄などの人道に対する罪を犯し続けている」と信じるに足る合理的な根拠があげられている。また、誘拐、拷問、強姦などの戦争犯罪は、北東部でトルコ政府が敵対視しているクルド人武装勢力と対立している反体制派の自由シリア軍によっても犯されている可能性があると指摘されている。
同委員会は、昨年1年間に少なくとも49人のクルド人とヤジディ人の女性が、自由シリア軍によって拘束された案件について調査していると報告しており、「可能な限り、公的秩序と安全を確保し、女性と子どもを特別に保護する」というトルコの責任を強調している。
『ルモンド』や『フランス24』によると、調査委員会は、トルコ支配下にある都市アフリンの拘置所で、シリア国軍(SNA)のトルコ人民兵がクルド人囚人を集め、未成年のクルド人の少女がトルコ兵に順番に強姦される様子を見せられたという証言を報告している。
また、このシリア国軍は、国際人道法に違反して遺跡などの文化財を略奪し、破壊したとして告発されている。
調査委員会は、トルコがこれらの地域に居るすべての個人に対して適用される人権条約の義務に拘束されていると指摘し、「この点で、トルコ軍が民間人の財産の略奪・横領行為を認識していたこと、シリア国軍が管理する拘置所にトルコ軍がいたこと、被拘禁者に対する虐待が頻繁に行われていたこと、特に尋問中に拷問が行われていたことなどの申し立てを銘記する」と述べている。
そして「武装グループのメンバーがトルコ軍の実質的な指揮・統制の下で行動していることが判明した場合、トルコ側の指揮官たちはこれらの犯罪行為を認識していたはずであり、犯罪の実行を防止または抑圧するために必要かつ合理的な措置をすべて取らなかったとして彼らの刑事責任につながる可能性がある」と警告している。
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