数年前から欧州で導入された加工食品の栄養評価を表示した「Nutri-Score」(ニュートリスコア)ラベル。今回、ヨーロッパの10カ国で収集された50万人以上のデータを用いてその妥当性が調査したところ、栄養評価のスコアが低い加工食品を購入する人ほど死亡率が高くなっていることが判明した。
仏
『Futura Sciences』によると、ニュートリスコアとは、加工食品の栄養度合いをAからEの5段階で色別に表示するラベルのことだ。その食品に含まれる糖質、脂質、塩分、タンパク質、繊維質の添加量に基づいて計算される。
このラベルは、多くの食品の中から消費者がより健康的な食品を見分けて購入することを支援するためのラベルシステムだ。
今回、1992年から2015年までの間に、ヨーロッパ10カ国で実施され、50万人以上の参加者を対象に調査したところ、53,112人が非偶発的な死亡だったことが確認された。...
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『Futura Sciences』によると、ニュートリスコアとは、加工食品の栄養度合いをAからEの5段階で色別に表示するラベルのことだ。その食品に含まれる糖質、脂質、塩分、タンパク質、繊維質の添加量に基づいて計算される。
このラベルは、多くの食品の中から消費者がより健康的な食品を見分けて購入することを支援するためのラベルシステムだ。
今回、1992年から2015年までの間に、ヨーロッパ10カ国で実施され、50万人以上の参加者を対象に調査したところ、53,112人が非偶発的な死亡だったことが確認された。
性別、年齢、体重、運動量、教育レベル、喫煙状況など、いくつかの交絡因子を踏まえて結果を調整したところ、ニュートリスコアの評価が低い食品を摂取した参加者は、他の参加者と比較して死亡率が7%高いことが示された。
死亡率は、がんによる死亡が8%増、心血管疾患4%増、呼吸器疾患39%増、消化器疾患22%増だったことが判明した。
『レゼコー』によると、今回の調査を主管した国立保健医学研究所(INSERM)の研究員メラニー・デシャソーとマチルド・トゥヴィエは、今回の結果は他の調査結果とあわせても、ニュートリスコアが栄養品質を評価する表示ツールとして妥当であるだけでなく、慢性疾患を防ぐ目的として、消費者をより栄養の高い食品に導く方法として有効活用ができることを判明したと強調している。
ニュートリスコアのラベルは、フランス、ベルギー、スペイン、ドイツ、オランダ、スイス、ルクセンブルクなどで導入されているが、欧州の表示規制のために今のところ企業側が任意で表示している。
しかし、ラベル表示を採用する企業は年々増えており、2019年6月にはネスレ、2020年1月と2月にはケロッグ、ペプシコが採用する食品メーカーのリストに加わっている。
フランスでは16日、消費者団体をはじめとした複数の団体が「多くの子どもが視聴する番組の中で、ニュートリスコアが低いDまたはEの食品広告を禁止する」よう共同で呼びかけた。消費者団体が調べたところ、子供を対象とした広告の88%はニュートリスコア DとEの食品が占めていることが判明したためだ。
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