米国のパレスチナ自治区への支援は、これまでトランプ前大統領の下で中断されていたが、バイデン政権の下で再開することが決定された。これに対してイスラエルの駐米大使は早速、反対の声をあげた。
国連のパレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)への米国の支援額は、2.35億ドル(=約258億円)に達するものと予想されている。その内訳は、新規の支援額が1.50億ドルで、7500万ドルがヨルダン川西岸地域とガザ地区の開発と経済支援に活用され、最後の1000万ドルは和平プロセスの推進に使用される。...
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米国のパレスチナ自治区への支援は、これまでトランプ前大統領の下で中断されていたが、バイデン政権の下で再開することが決定された。これに対してイスラエルの駐米大使は早速、反対の声をあげた。
国連のパレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)への米国の支援額は、2.35億ドル(=約258億円)に達するものと予想されている。その内訳は、新規の支援額が1.50億ドルで、7500万ドルがヨルダン川西岸地域とガザ地区の開発と経済支援に活用され、最後の1000万ドルは和平プロセスの推進に使用される。
米国のアントニー・ブリンケン国務長官はコミュニケで、パレスチナ人への支援が米国の国益に適うものであることを次のように説明した。 すなわち、支援金が必要とされる人々に行きわたることで、パレスチナ地域の経済発展やイスラエル人とパレスチナ人間の対話を促進し、パレスチナ地域の安全保障や政情の安定に貢献できるという。
一方、イスラエル駐米大使のギラッド・エルダンは、米国のパレスチナ支援の発表を受け、矢継ぎ早に失望感と反対の意思を表明した。さらに支援の条件として、反ユダヤ主義を扇動しないことや学校で反ユダヤ教育的内容を撤廃させるべきであったと反発した。
ジョーバイデン大統領は4月7日、イスラエルーパレスチナ問題に関しては、2つの国とするトランプ前大統領以前の考えを踏襲することを強調した。
ところで、UNRWAによると、コビッド19感染流行とシリアやレバノンやヨルダンに避難しているパレスチナ人たちの援助のため経費が増大して2020年度は7500万ドル(=約82億円)の債務があり、今年度は2億ドル(=約220億円)に達するものと予想されていた。
従って、米国のUNRWAを経由してのパレスチナ人への援助再開は、まさに「渡りに船」というところであった。
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