バイデン米政権は、相次ぐ銃乱射事件を受け対策を求める声が高まる中、議会承認がいらない大統領令発布の形で新たな銃対策を発表。近年の事件では、ネットで購入し自分で組み立てられ、登録番号もなく追跡ができないため身元確認が必要ない「ゴーストガン」など自家製銃の使用が増加しているという。今回の対策には、この自家製銃や、銃口を安定させる補助装具の規制強化、各州で危険人物から銃器を取り上げられる法律整備などが盛り込まれている。
4月8日付英国
『BBC』は「米国の銃による暴力:バイデン氏が“国際的な恥”への対策」との見出しで以下のように報道している。
バイデン政権は、未登録で追跡できない「ゴーストガン」と呼ばれる自家製銃などの規制策を大統領令として発表。特定の銃への規制を定め、身元調査を早め、地域の暴力防止を支援する。木曜バイデン大統領はホワイトハウスで演説し、「この国は銃による暴力は蔓延しており、これは国際的な恥である」、「一日の銃による死者は106、これは驚異的で阻止すべき。...
全部読む
4月8日付英国
『BBC』は「米国の銃による暴力:バイデン氏が“国際的な恥”への対策」との見出しで以下のように報道している。
バイデン政権は、未登録で追跡できない「ゴーストガン」と呼ばれる自家製銃などの規制策を大統領令として発表。特定の銃への規制を定め、身元調査を早め、地域の暴力防止を支援する。木曜バイデン大統領はホワイトハウスで演説し、「この国は銃による暴力は蔓延しており、これは国際的な恥である」、「一日の銃による死者は106、これは驚異的で阻止すべき。犯罪者やテロリストまで、このキットを購入でき30分もあれば銃を組み立てられるのだ」と述べた。
また、大統領は司法省にゴーストガンを減らす規制を1か月以内に設けるよう指示。ゴーストガンは、自分で組み立てられた銃で、登録番号もなく追跡ができないため部品キット購入の際身元確認は必要ない。水曜には若者を含む5人が南加州で犠牲となり、演説の後にもテキサス州で銃による殺傷事件が起きている。専門家は、自家製の銃が犯罪に使用されるケースが増加していると指摘している。政府の銃器当局によると、ロサンゼルスで押収された銃の4割以上が、ゴーストガンだという。
また大統領は、司法省に銃口を安定させる「スタビライジングブレース」装置の規制を2か月以内に行うよう指示。この規制により同装置は銃口が短い銃身のライフルに分類され、より厳しい調査対象となり得る。司法省は各州独自の法を導入できる「レッドフラッグ」法の原案も策定することとなる。
一方、銃を持つ権利は合衆国憲法修正第2条で保障されており、多くの国民は銃規制が権利の侵害だとみなす。上院が両党で割れている今、政権が議会を通し銃規制することは困難となっている。
同日付米国『CBS』は「バイデン氏が銃暴力蔓延を減らす大統領令を発表」との見出しで以下のように報道している。
バイデン大統領が銃暴力を減らす施策を初めて発表。銃器の範囲を変更することで銃規制改革を目指す。また、バイデン大統領は、 アルコール・たばこ・銃器取締局(ATF)の局長に元同局当局者のデビッド・チップマン氏を起用。銃暴力に精通しているとされるチップマン氏は近年、銃規制団体「Giffords」の政策担当部長を務めていた。
一方、全米ライフル協会はこの銃施策撤回を求めており、ツイッターで対抗する意向を示している。バイデン政権の政策は、これまで新型コロナウィルスや景気対策を主軸とし、公に銃規制議論に触れてこなかった。先月の公式記者会見では、ジョージア州やコロラド州で大きな銃撃事件が起きる中にあっても銃の問題に近々に取り組む姿勢は見せなかった。
閉じる