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【いま経済は】
NY株価急落・米国経済独り勝ちの終えんか] (142件/週)

10/12 23:47 NHK総合・東京 【時論公論】
ニューヨークの株価下落が持つメッセージについて。
トランプ政権は米国第一主義を掲げ、ほかの国の経済がどうなろうと構わないとでも言うかのように、関税引き上げなどの措置を一方的に発動し続けている。
世界第2の経済大国・中国に対しては、米国経済は好調だから絶対に負けないとして強気の姿勢。
実際に米国が中国に対する制裁の発動を発表した6月以降、中国の株価は下がり続け、米国の株価は上昇。
グラフ「上海総合指数、NY平均株価」。
それが中国経済が悪化しても米国は力強く成長を続けるという、米国独り勝ち論を生んだ。
しかし、今回の株価の急落は米国独り勝ち論が幻想であることを突きつけたように思う。
米国の関税引き上げによって中国からの輸出が減れば、中国国内の生産も落ちる。
すると、中国が新興国などから調達する石油や鉄鉱石などの原材料の輸入も減る。
そうなれば、今度は中国への輸出で潤っていた新興国の景気が悪化し、資金の流出が進むなど経済の混乱を招きかねない。
その結果、市場のリスクは高まり、ニューヨーク市場でもリスクを避けるための株式売却で株価が下落するという事態にもつながっていく。
各国の経済が互いに密接に結び付く今、世界経済の主要なプレーヤーを痛めつけておいて、独り米国のみが繁栄を続けることは可能なのか。
米国だけがよければ良いという身勝手な対応は、やがて手痛いしっぺ返しを食らうことになる。
今回のニューヨーク市場の株価の急落は、そうしたメッセージを投げかけているように思う。
解説委員・神子田章博。

10/12 23:45 NHK総合・東京 【時論公論】
もう一つの重要な鍵が、中国との貿易摩擦がどこまで長引くか。
トランプ政権が制裁の対象となる品目を拡大する中で、中国でプラスチックの原料となる樹脂製品を作っている日本メーカーは、最近、中国からの受注が減り始めたと話している。
プラスチック製の日用品やおもちゃなど米国向けの製品の需要が減ることを見据えた動きと見られる。
トランプ大統領は先月下旬から、制裁の対象を2500億ドル分にまで増やしているので、こうした影響は今後、一段と広がっていくものと見られる。
さらに気になるのが、米国が中国に向ける視線が、ここへきて一層厳しいものになっている点。
ペンス副大統領は、先週行ったスピーチで、「中国は米国を食い物にして製造業の基盤を築いた」とこれまでにない厳しい言葉で中国を批判。
さらに批判は経済分野だけにとどまらず、中国には信教の自由や報道の自由がないなど政治体制の根幹に関わるところまで及んだ。
中国からすれば到底受け入れ難いもので、王毅外相は「米国は誤った言動を直ちにやめよ」と激しく反論。
いまや両国の関係は、かつての米国と旧ソ連の関係になぞらえて、新冷戦と呼ばれるまでに悪化。
その一方で、トランプ大統領は来月、アルゼンチンで開かれるG20・主要国首脳会議に合わせて、中国・習近平国家主席との会談を行う方向で調整を進めていると伝えられている。
世界の市場が混乱したのを見て、貿易戦争の終結に向けた糸口を探り、いったん矛を収めるのか、あるいはより一段と厳しい制裁措置に打って出るのか、その行方が今後の株価を大きく左右することになる。
解説委員・神子田章博。

10/12 23:43 NHK総合・東京 【時論公論】
今回の株価急落に関して市場関係者の間では、これまでの株価上昇のペースが早かったために調整したにすぎないと楽観的に見る声もある。
本当にそうなのか。
それを占ううえで2つの注目点を挙げる。
1つはFRBの金融政策の行方。
FRBは、大規模減税などの景気刺激効果で過熱が懸念される経済を適度に冷ますため、政策金利の引き上げを続けている。
今年はすでに3回利上げした上、年内にもう1回、来年にはさらに3回引き上げるという想定を公表。
これに対してトランプ大統領は、自らの政策で力強い経済が維持できているのに、FRBの利上げによって景気を冷やしてほしくないと考えている。
10日、株価が急落すると、「FRBは間違っている。
クレージーだ」と言い放った。
これに対してFRB・パウエル議長は、政治から独立した立場で金融政策を行う考えを示している。
ただ、パウエル議長にとっても、政策金利の引き上げが世界のマーケットを壊し、株価の下落を通じて米国経済を一気に冷え込ませる事態は避けたいと考えているに違いない。
このため、今後も経済指標や市場の動きを注意深く見ながら、利上げのペースを慎重に判断していくものと見られる。
経済を軟着陸させるためのFRBの手綱さばきが今後の市場の動向を占う一つの鍵になると思う。
解説委員・神子田章博。

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