原油が１バレル３０ドルを割ってしまっている。一番ダメージを受けているのがサウジなどの中東の産油国。これだけどんどん価格が下がるとあのサウジでさえ財政赤字がどんどん拡大していく。今年の予算段階ですでに日本円換算で１０．４兆円の赤字予算。ところが３０ドル割れるとなるとこれが２倍に膨らみ、お金がない状態になってきた。今まで原油収入が潤沢だった時代にサウジをはじめとした産油国はその有り余った金を世界の株や債券を買うＳＷＦ政府系ファンドで積み上げてきた。昨年６月の段階で日本円換算でサウジは約８０兆円、クウェートは約７０兆円、アブダビが約９０兆円、カタールが約３０兆円で合計約２７０兆円。その一部が動いただけでも相当な売り物になってしまう。先週、日本株が急落したが、外国人の売りが現物と先物あわせると１兆円売り超した。１週間で１兆円というのは、極端でマーケットが下がるのは当たり前。そのうちの多くの部分でいわゆるオイルマネーが今まで積み上げたお金を逆流させている。

2016/01/16　テレビ東京[マネーの羅針盤]