フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は4月23日から3日間、
トランプ大統領の大統領就任以来、最初の国賓としてアメリカを訪問している。一見すべての面で異なるトランプ大統領とマクロン大統領。共に昨年始めて国のトップに選ばれ、それから1年、互いを知るようになり、さらには、互いに認め合うようになっている。
仏ニュースのリポーターは「一方は、億万長者、保護主義者、反体制の実業家。他方は、エリート官僚養成学校出身者、エリート中のエリート、そして世界主義者。気候、世界貿易、イランなど、すべての主要な問題において意見が食い違う。しかし、彼らは波長が合い、シリアだけでなく様々なことでコミュニケーションを取り合っている。」とコメントしている。なぜこれほどまでに違う二人は波長が合うのか?
ル・パリジャン紙はこのように説明している。二人とも「伝統的な政党や政治演説から離れて」かつ、「誰からも期待されていなかった」時に選挙で勝利した。「共にナルシストで、互いに魅了されている」。
マクロン大統領は、ロスチャイルド家の銀行で投資銀行家としてのキャリアを経ており、その際にアメリカ文化に馴染み、アメリカでの人脈も持っており、英語も流ちょうに話す。そのおかげでトランプ大統領とは、仲介者を必要とせず、直で話し合いが出来ており、これもコミュニケーションがうまく取れている要因の一つになっている。
去年5月のNATO首脳会談で、二人の初会談での握手外交が有名だ。両大統領は互いの目を見ながら握手を交わしたが、こぶしが白くなるほど手をきつく握りあっていた。長い握手が続いた後、トランプ氏がようやく手を放そうとしたが、マクロン氏はトランプ氏の手をなかなか離さなかった。マクロン大統領側は、対等な相手として扱われることを意図した握手だったという。この自信たっぷりの若い大統領をトランプ大統領が気に入ったと見られている。
故ドゴール元仏大統領は、米国に対し次のようなモットーを持っていた。「穏やかな天候の時は独立して、嵐の時には連携する関係」。マクロン大統領は、トランプ大統領とは全ての問題で意見が異なるものの、シリアではしっかりと協力している。
年齢とスタイルの違いに関わらず、マクロン大統領は、トランプ大統領にとって欧州内の特別なパートナーになっている。
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