被害に遭った航空会社は、航空便の運航が今後もGPS信号の妨害によってフライト運航が阻害されることを危惧している。
フィンランドのフィンエアーは、4月29日月曜日、これまでの1か月間、エストニアの第2の都市タルトの空港に着陸できない状況が続いている、と発表した。事実上、バルト海上空でGPS信号に関係したトラブルがひんぱんに発生している。
タルト空港は、航空機を安全に着陸させるために誘導するシステムとしてGPSシステムに替わるシステムを持っていない‘稀’な空港の1つだという。...
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被害に遭った航空会社は、航空便の運航が今後もGPS信号の妨害によってフライト運航が阻害されることを危惧している。
フィンランドのフィンエアーは、4月29日月曜日、これまでの1か月間、エストニアの第2の都市タルトの空港に着陸できない状況が続いている、と発表した。事実上、バルト海上空でGPS信号に関係したトラブルがひんぱんに発生している。
タルト空港は、航空機を安全に着陸させるために誘導するシステムとしてGPSシステムに替わるシステムを持っていない‘稀’な空港の1つだという。そのため、一度GPS信号が途絶えると、航空機を安全に着陸させ、空港エプロンに誘導することは不可能になる。
その前の週には、フィンエアーの2つのフライトがタルト―空港にアプローチしていた途中に着陸を諦めて、ヘルシンキに引き返す出来事があった。2件とも、GPS信号が妨害されてGPSでの着陸が困難となったことが原因である。
エストニアは直ぐにロシアに対し名指しで非難した。エストニアのマルガス・ツァークナ外務大臣は、さらに「ロシアとしてもGPS信号妨害は航空機の運航に危険であることを承知しているはずだ。」と言明しロシア側の自制を求めた。
ロシアは数日前から、過去1年間に発生したGPS信号の妨害によるフライト運航トラブルの原因になっているとして非難されている。スウェーデンもロシアによるGPS信号妨害に対してNATOも何らかの対策を行うように迫っている。
英国の『ガーデイアン紙』によると、昨年の8月から現在までの英国発便の約46000フライトで、バルト海上空におけるGPS信号のトラブルが報告されているという。
なお、今のところ幸いにもロシアによるGPS信号への妨害行為からは重大な事故には至っていない。しかし、専門家たちは、GPS信号の妨害がさらに進化して航空機の位置感知機能以外にもっと重要な機能を阻害することになれば、ロシアと欧米諸国間の緊張状態はさらに高まることになると懸念している。
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