フランスのトゥールーズで、ゲーム参加者にマクロン大統領を誘拐して殺害するか釈放するかを選択させる体験型脱出ゲームが提供されていた。この内容が原因で、ゲーム考案者で管理人でもあるカミーユさんが警察に勾留され、取り調べを受けた後に釈放されたという。
『フランス アンフォ』、
『20ミニュットfr』や
『クローサー』など多数のフランスメディアが報じたところによると、フランス南部のトゥールーズでは、参加者を楽しませるために、奇抜なシナリオの体験型脱出ゲームが提供されていた。
「大統領の誘拐」と題された体験型脱出ゲームでは、フランスのマクロン大統領のマネキンが登場する。顔が腫れ上がり、車椅子に縛られているマネキンの大統領に対し、参加者は3つの選択肢が与えられる。選択肢1は「ペルランパンパンの粉」を飲んで大統領を解放する。これは、大統領選挙直前に行われた討論会で、マクロン大統領が使用した表現をネタにしたもので、全く効果のないインチキ薬を指している。選択肢2は、刑法を使って刑務所に入れる、そして選択肢3は、黄色のベストの切れ端で作られている火炎瓶を使って大統領を殺す。これは、2019年にフランス全土に広がった黄色いベスト運動をネタにしたものである。
2019年の8月から提供されていたこの脱出ゲームの考案者は、あくまでも娯楽を目的としたものだったと話しているが、トゥールーズ市の日刊紙がゲーム内容を取り上げたことから、注目を集めるようになり、警察に身柄を拘束され、取り調べを受けるようになってしまった。
7時間ほど拘束された後、釈放されたが、ゲームを提供していた施設は家宅捜索され、
28日に営業が再開されたという。ただし、内容は刷新され、マクロン大統領の蘇生の試みも含まれる新しい体験型ゲームになっている。新しいゲームでは、同じ大統領のマネキンを使用するが、死んでしまった大統領を生き返らせたい場合は蘇生方法を選択し、数人の容疑者の中で誰が暗殺を犯したかを見つけることが目的になっている。なお、容疑者は、フェミニストの魔女、左翼のゾンビ、「共和国前進」党の幽霊、金融界の吸血鬼、突然変異するハッカーの誰かという設定になっている。
カミーユさんは釈放されたものの、今後、ゲーム参加者達に大統領を殺すように扇動しなかったことを証明しなければならず、少なくとも5人のゲーム参加者の証言を集めることが必要になるという。
検察局は、カミーユさんは度を過ぎた内容のものを提供していたことを認めた上で、実際の大統領に直接的または間接的に危害を加える意図は全くなかったと説明していることを発表した。
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