【Globali】
比大統領の反米発言(2016/10/07)
フィリピンのドゥテルテ大統領は、10月4日同盟関係にある米国がフィリピンへの武器売却を拒否していることについて、米国オバマ大統領に対し「go to hell(くたばれ)」という表現を使い不満を示した。ドゥテルテ大統領の反米発言は、9月に予定されていた米比首脳会談前にオバマ大統領を「淫売の息子」と失言したレベルから、今や米比の同盟関係を破棄しかねないレベルまでエスカレートしている。フィリピンが米国から離れて中国、ロシアとの関係を深めるような発言まで飛び出して来ており、場合によっては東アジアの情勢を一変する可能性も出て来た。同大統領は国内で圧倒的な支持を得ているだけにフィリピンからは目が離せない状況にある。
10月6日付フィリピン
『マニラタイムズ』 は、「“対米関係を断つ”」という見出しで、ドゥテルテ大統領が最終的に米国との関係を断ち、中国、ロシアのような大統領が尊敬の意味を理解してといると考える国に向かうかもしれないと報じた。「在任期間中に最終的には米国との関係を断つかもしれない。ロシアと中国との関係を深めたい。イデオロギーで違いがあるかもしれないが、人に対する尊敬の念を持っている。尊敬することは重要だ。...
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10月6日付フィリピン
『マニラタイムズ』 は、「“対米関係を断つ”」という見出しで、ドゥテルテ大統領が最終的に米国との関係を断ち、中国、ロシアのような大統領が尊敬の意味を理解してといると考える国に向かうかもしれないと報じた。「在任期間中に最終的には米国との関係を断つかもしれない。ロシアと中国との関係を深めたい。イデオロギーで違いがあるかもしれないが、人に対する尊敬の念を持っている。尊敬することは重要だ。米国が我々を見捨てたことに感情を害した。友人なのかと思ったら、国際会議で一国の大統領を叱った。こんなのありか?」と大統領は語った。大統領は海外メディアが彼の発言を間違って引用したり、発言全部を報道せず偏向しているので自分を守ることができないと語り、「私の説明は前面には出してもらえずフィリピン人の感情はわかってもらえない。(海外メディアは)EU、オバマ大統領、人権団体の懸念を共有している。」と主張する。
5日大統領は本気で米国との同盟関係を切るつもりかと質問されて、アベラ報道官は「将来はわからないが、今のところその動きはない」と答えた。「大統領は国の大小にかかわらず尊敬し合う対等の関係を望んでいる。また条約に拘束されない自由な外交を行いたいと考えている。米国との関係を断つという発言は、明確なイエスでもノーでもない。」と付け加えた。経済アナリストのウォレス氏は「ホワイトハウスはちゃんと理解していると思うが、大統領は米国との関係を断つつもりはない。それは合理的判断ではない。大統領の発言は政治的、国際的には受け入れられないものであろうが、海外メディアは彼をよく理解してほしい」と語った。
大統領は米比同盟関係について、フィリピンの軍隊は米国から技術移転を受けておらずフィリピンの役に立ってないと発言したが、ロレンザナ国防相は大統領の発言は間違った情報に基づくものであり、フィリピンは同盟関係で利益を得ているという。それは軍事的な恩恵だけでなく台風等の災害の際米国の協力を得ていると発言したと伝えている。
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フィリピン大統領、またしても失言(2016/09/07)
フィリピンのドゥテルテ大統領は就任以来進めている麻薬犯罪者の取締りについて、8月には国連の人権高等弁務官事務所からの批判に対し国連脱退も辞さずと発言し耳目を集めたが、今度は同じく人権問題に懸念を示す米国のオバマ大統領に対し、タガログ語で「淫売の息子」と侮辱し、これを受けた米ホワイトハウスは急きょラオスのビエンチャンで予定されていた米比首脳会談を中止すると発表した。このためドゥテルテ大統領も米国との関係を冷静に考えればこの発言は不味かったと反省したのか、発言を後悔していると声明を出すこととなった。米比首脳会議が再度開催されることになるのかどうかは今のところ未定であるが、ドゥテルテ大統領の外交手腕に関しては懸念が深まる状況にある。フィリピンは南シナ海で中国と領土問題を抱えており、同大統領の外交がフィリピンのみではなくアジアの安全保障に影響を及ぼす可能性が大きいだけに、同大統領の行動は日本としても傍観して嘲笑しているだけでは済まないようである。
9月7日付
『ヤフーニューズ』 (ロイター通信引用)は、「米国とクリントン候補、侮蔑の後ドゥテルテ大統領に敬意を求める」という見出しで、米国務省及びクリントン民主党大統領候補は火曜日、フィリピン大統領がオバマ大統領を「淫売の息子」と侮辱し、両国の同盟関係に懸念が生じていることを受けて、相互尊重に基づく両国関係の必要性を強調したと報じた。また両者とも、今回の残念な発言にもかかわらず、中国のアジアでの領土拡大主張で緊張が増す中で、両国関係に大きく影響するものではないと語った。...
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9月7日付
『ヤフーニューズ』 (ロイター通信引用)は、「米国とクリントン候補、侮蔑の後ドゥテルテ大統領に敬意を求める」という見出しで、米国務省及びクリントン民主党大統領候補は火曜日、フィリピン大統領がオバマ大統領を「淫売の息子」と侮辱し、両国の同盟関係に懸念が生じていることを受けて、相互尊重に基づく両国関係の必要性を強調したと報じた。また両者とも、今回の残念な発言にもかかわらず、中国のアジアでの領土拡大主張で緊張が増す中で、両国関係に大きく影響するものではないと語った。
今年3月米比間でフィリピンの5ヶ所に新しく米軍施設を設けることに合意している。カーター米国防長官は、フィリピン大統領の発言に対し米比関係は強固で永続的なものとコメントした。米政府関係者はドゥテルテ大統領は前職の市長職から大統領職への移行を手探りで行っている状況だとうと評した。オバマ大統領の元アジア問題顧問は、米比関係にとって今回の仲違いは、スピード制限のための突起程度で大きな障害物にはならないと見ると伝えている。
9月7日付フィリピンの
『マニラタイムズ』 は、「オバマ大統領、ドゥテルテ大統領との会談を反故に」という見出しで、ホワイトハウスが米比首脳会議を中止したことにより米比関係に亀裂が生じたと報じた。ドゥテルテ大統領は月曜日ラオスへ出発する前記者団に対し、フィリピンは米国の言いなりにはならない。オバマ大統領が首脳会談で麻薬犯罪容疑者の殺人について問題にするのは失礼であり、人権問題を押し付ける権利はないと話したうえで、オバマ大統領を「淫売の息子」と呼んだ。ドゥテルテ大統領は火曜日、首脳会談の中止はメディアが大統領を挑発したことに責任がある。今回の発言が米大統領を個人攻撃したとみられたことは残念である。首脳会談は後日改めて行うことで合意したと語った。また、他国はフィリピンのことに干渉するべきではない。フィリピンは米国を含む外国との緊密な関係を推進しつつ、独自の外交を行うつもりである。国家の優先事項や認識に違いがあればそれを取り除きたい、とも語った。
フィリピンの大統領報道官はオバマ大統領がG20首脳会議で、中国との領海紛争に関し同国を支持したことに謝意を表明した。またマニラで留守居役の官房長官はラジオのインタビューにおいて、ドゥテルテ大統領はフィリピンが主権国家であり国内問題についてはその国のやり方で解決したいと言いたかっただけだと語った。米比間では、8月ドゥテルテ大統領を批判した米駐比大使に対してドゥテルテ大統領がコメントしたことについて、米国務省はフィリピンの駐米大使を召喚し説明を求めるということがあったとも報じている。
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