韓国与党、メディア懲罰法案強行採決で言論弾圧か(2021/08/20)
韓国国会の委員会は19日、報道機関に大きな罰則を与える可能性のあるメディア法の改正案を可決した。この法案に反対する人々は、この動きを独裁政権における報道の自由の抑圧になぞらえている。
『UPI通信』によると、韓国の与党「民主」党が率いるソウルの国会文化体育観光委員会は19日、最大野党である「国民の力」党の議員50人以上がこの法案の廃案を求める抗議行動を行う中、「報道機関の仲裁に関する法」の改正案を強行採決した。
反対派のイ・ダルゴン議員は、精神的苦痛を含む実際の損害の5倍分を原告が訴えることができるという今回の改正は、法律の粗雑な書き直しであると述べた。イ議員によると、委員会は当初、今回の改正で原告が実際の損害の3倍だけを訴えることを検討していたという。...
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『UPI通信』によると、韓国の与党「民主」党が率いるソウルの国会文化体育観光委員会は19日、最大野党である「国民の力」党の議員50人以上がこの法案の廃案を求める抗議行動を行う中、「報道機関の仲裁に関する法」の改正案を強行採決した。
反対派のイ・ダルゴン議員は、精神的苦痛を含む実際の損害の5倍分を原告が訴えることができるという今回の改正は、法律の粗雑な書き直しであると述べた。イ議員によると、委員会は当初、今回の改正で原告が実際の損害の3倍だけを訴えることを検討していたという。
「フェイクニュース」法と呼ばれているこの法案は、韓国の現政権が、ニュース記事の誤報が公人を含む市民の評判を落とすことへの懸念を示したことを受けて作成された。しかし、「国民の力」党のチェ・ヒョンドゥ議員は、この法案が、与党が過半数を占める国会で可決された場合、韓国の「世界メディア自由度ランキング」は現在の42位から180カ国中80位に下がる可能性があると述べている。
報道によると、野党は修正案作成への参加を拒否したため、与党議員は野党の意見を取り入れずに法案を審議した。韓国のメディア団体は、19日に委員会が修正案を承認したことを非難した。韓国ジャーナリスト協会とその他の団体は共同声明で、今回の改正は、公人の不正確な報道や不正確な表現を構成するものについて、「不明確で恣意的な解釈」の余地があると述べている。
韓国『コリア・ヘラルド』によると、報道仲裁法は、人々の権利、利益、評判を侵害する報道に関する紛争を調停することを目的としているが、与党が強行採決した改正法案は、懲罰的損害賠償の導入など、虚偽の報道に対する処分を厳しくしており、野党やメディアは、この改正法案はメディアの監視役を弱めることになると反対している。
改正法案の原案では、高級官僚や大企業の経営者も、悪意のある虚偽の報道や操作された報道に対して損害賠償を請求できることになっていた。しかし、反対の声を受けて、与党はそれらを除外した。過半数の議席を持つ民主党は、19に常任委員会の承認を得て、8月25日の本会議で法案を可決することを目指している。
これに対し「国民の力」党は、議題調整委員会を設置して法案の通過を阻止しようとしている。また、24日には青瓦台(大統領府)前で総会を開き、法案の撤回を要請する予定だという。
進歩的な「正義」党も、法案が常任委員会を通過して本会議にかけられた場合、反対すると述べている。同党報道官は、「報道仲裁法」は、力を持つ人々が批判から身を守るための手段となり、憲法上の表現や言論の自由が制限される懸念があると述べている。
韓国の4つのメディア団体は、「民主党の報道仲裁法改正案は、被害救済どころか、メディア統制や言論の自由の侵害に直結する可能性が高い」との声明を発表した。世界新聞協会もこれに加わり、韓国政府と民主党に法案の即時撤回を求めた。
世界新聞協会代表のヴィンセント・ペイレーニュ氏は、「世界で最も権威主義的な政権のいくつかが推進しているこの種の規制は、政治的・経済的な権力に対する批判を封じ込めるために用いられる都合のよい手段であることが多く、その結果、報道の自由を損なうことになる。もしこの改正案が推進されれば、韓国政府は、改革という名のもとに自由な批判的議論を抑制する同種の改革を行った最悪の権威主義政権の仲間入りをすることになるだろう」と声明で述べた。
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韓国大統領選、立候補した前検事総長に欧米メディア注目(2021/07/02)
来年3月に行われる韓国大統領選で、尹錫悦(ユン・ソクヨル)前検事総長が、選挙への出馬を正式に表明した。欧米メディアは、政治経験のない異色の候補者となる尹氏を紹介している。
米
『abcニュース』と英
『インデペンデント』によると、尹氏は29日にソウルで記者会見を行い、文大統領政権を「腐敗」「無能」「傲慢」と表現し、国民の信頼、正義、そして法の支配を再構築することを誓った。
『UPI』によると、尹氏は、現政府が「国民を二分し、常識や公平性、法の支配を捨て、国家の基盤を崩し、国民を不満と怒りに陥れた」と述べ、「この政府が行った残虐行為をすべて列挙することは難しい」と文政権を糾弾した。...
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米
『abcニュース』と英
『インデペンデント』によると、尹氏は29日にソウルで記者会見を行い、文大統領政権を「腐敗」「無能」「傲慢」と表現し、国民の信頼、正義、そして法の支配を再構築することを誓った。
『UPI』によると、尹氏は、現政府が「国民を二分し、常識や公平性、法の支配を捨て、国家の基盤を崩し、国民を不満と怒りに陥れた」と述べ、「この政府が行った残虐行為をすべて列挙することは難しい」と文政権を糾弾した。
尹氏は、「政権交代を実現する決意を持って立候補した。政権交代を望む全ての人と力を合わせて、必ず実現させる」と語った。同氏は、かつて文大統領の汚職撲滅運動の先頭に立っていた人だが、今年3月に検察制度改革の計画をめぐって対立し、検事総長のポストを辞任した。ユン氏は、文大統領の検察制度改革は検察の権限を制限し、国家の憲法を破壊するものだと批判した。大統領の政治的盟友が汚職などの容疑で捜査されたことで、両者の関係は悪化していた。
日経アジアによると、韓国の世論調査では、32%の回答者が尹氏を支持しており、国の次期リーダーとなる保守派の最有力候補として選ばれている。尹氏はまだどの政党に所属するかを表明していない。尹氏は、主要野党である「国民の力」党と基本的な政治理念は共有していると述べているが、現在の人気を維持できれば、自分の政党を立ち上げるのではないかとの見方もある。
元検事は、既存の社会経済政策の改善に注力すると述べており、技術進歩の時代を先導しながら、公正さを確保し、民主主義を守ることを誓った。そして、「政治家としての経験はないが、国民のためだけに働くという決意のもと、26年間公務員として過ごしてきた」と語った。
当選すれば、日本との関係悪化や問題を「グランドバーゲン」で解決することを目指すという。尹氏は「国交正常化以降、関係は回復不可能なほど悪化している」と述べた。「慰安婦、強制労働、安全保障協力、貿易など、すべてをテーブルの上に置くグランドバーゲンで日本にアプローチすべきだ」と述べた。
また、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)氏については、「一国の指導者に対して、曖昧な幻想や曖昧な否定的考えを持つ必要はない。指導者がどのように国を導くかで判断すべきだ」と述べた。
大統領選での尹氏の主要なライバルは、首都ソウルを囲む京畿道の知事で、与党に所属する李在明(イ・ジェミョン)氏である。世論調査では、次期大統領に最もふさわしい人物として32.4%の回答者が尹氏を選び、28.4%の回答者が李氏を選んだ。
『abcニュース』は、韓国の次期大統領が誰になるにせよ、北朝鮮の核の脅威の増大、米中の対立、住宅価格の高騰、若者の高い失業率など、多くの困難な課題に直面することになると伝えている。
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