パク・クネ前韓国大統領の罷免に伴う韓国大統領選挙は5月9日に投票が行われるが、4月3日の
『Reuters』は、韓国の人権派弁護士のムン・ジェイン氏が4月3日「共に民主党」の第1回投票で次期大統領候補に選出され、このまま韓国大統領となり北朝鮮に対してより柔軟な政策を取る事になるだろうと報じている。ムン韓国大統領候補は世論調査で首位となっている。
64歳のムン氏が選出されれば韓国は北朝鮮政策を軟化させるとみられ、中国を怒らせた米国のミサイル防衛システムTHAADの配備を遅らせ、財閥を含む企業犯罪を厳しく取り締まることが予想される。ムン韓国大統領候補は低下した国民の生活や経済を立て直し、国家の安全保障を復活させたいとし、キム・ジョンウン朝鮮労働党委員長を北朝鮮の指導者として認め、対処するしかないと述べている。1950~53年の朝鮮戦争が平和条約ではなく停戦で終わったため、北朝鮮と韓国は実質的に戦争状態である。北朝鮮は、国連安全保障理事会の決議に違反してミサイル実験や核実験を行って、韓国とその同盟国の米国に脅威を与えている。ムン韓国大統領候補の考えは中国に北朝鮮への弾圧を強めるよう迫り、必要なら単独行動も辞さないとしたトランプ米大統領と衝突する可能性がある。
3月31日発表のギャラップ韓国の韓国大統領選挙の世論調査でムン韓国大統領候補は40%の支持を得、中道系の「国民の党」のアン・チョルス候補を2桁リードしている。この2人に対して保守系候補は14%と支持が伸び悩んでいる。
一方、4月3日の
『The New York Times』は韓国釜山の日本総領事館前に従軍慰安婦に関する少女像設置への対抗措置として日本に帰国していた長嶺安政駐韓国日本大使が約3ヶ月ぶりに4月4日韓国に戻ると報じている。少女像ははまだ残っており、両国はこの問題について合意していない。しかし、岸田外務大臣は北朝鮮の核・ミサイル開発問題に対処するために韓国政府と密接な連絡を取り、5月の選挙で選ばれる韓国の新大統領への準備のために大使が韓国に戻る必要があると述べている。この岸田外務大臣の発表は、日韓米の3ヶ国が北朝鮮への強硬な姿勢を示すために日本海で3日間の海上訓練を開始したことを受けて行われた。北朝鮮との激しい地政学的問題が少女像の問題を吹き飛ばした格好だ。ある専門家は日韓間の問題と切り離して少女像の問題を取り扱うべきだったと述べている。
一方、3月31日の
『UPI』は北朝鮮が韓国の大統領選挙に影響を与えようとしていると報じている。北朝鮮の「社会民主党」は北朝鮮の国営通信社を通じて韓国の国民や政治家に対して米国による核戦争挑発に反対して平和を守るよう求める声明を3月31日発表した。この中で韓国の政治家に戦争を防ぐよう促し、米国のミサイル防衛システムTHAADの展開に対して反対するよう韓国民に求めた??ている。
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3月24日付米
『UPI通信』:「米高官、北朝鮮が豊渓里(プンゲリ)で核実験準備中と表明」
「●米高官は3月24日、直近で撮影の衛星写真から、北朝鮮が北東部の豊渓里で6度目の核実験を準備中と推測されると表明。
●同試験場の核実験用トンネル掘削が完了したことから判断できるとし、同高官によれば、今月末までに実施の可能性があるとの見方。
●米空軍はすでに、WC-135コンスタント・フェニックス大気収集機を在日米軍基地に派遣し、(核実験が実施された場合の)大気中の放射能濃度をチェックする準備。...
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3月24日付米
『UPI通信』:「米高官、北朝鮮が豊渓里(プンゲリ)で核実験準備中と表明」
「●米高官は3月24日、直近で撮影の衛星写真から、北朝鮮が北東部の豊渓里で6度目の核実験を準備中と推測されると表明。
●同試験場の核実験用トンネル掘削が完了したことから判断できるとし、同高官によれば、今月末までに実施の可能性があるとの見方。
●米空軍はすでに、WC-135コンスタント・フェニックス大気収集機を在日米軍基地に派遣し、(核実験が実施された場合の)大気中の放射能濃度をチェックする準備。
●なお、ソウル大の核技術専門家は、昨年9月に北朝鮮が行った5度目の核実験は、広島に投下された原爆と同程度の6~10キロトンの威力だったと分析。」
3月26日付英
『インターナショナル・ビジネス・タイムズ』オンラインニュース:「衛星写真から、北朝鮮が核実験の準備に取り掛かっていると分析」
「●米シンクタンク38ノース(編注;メリーランド州のジョンズ・ホプキンス私立大学内の北朝鮮問題研究ウェブサイト)の公開情報によれば、北朝鮮が過去4度核実験を行った豊渓里核実験場で、複数の車両やトレーラーが頻繁に走行していることが確認されており、核実験用の準備に入っていると分析。」
3月27日付ロシア
『スプートニク・インターナショナル』オンラインニュース:「北朝鮮、米韓軍事演習が続く限り“事前通告なしの”先制攻撃を仕掛けると警告」
「●北朝鮮国営メディア
『朝鮮中央通信』は3月26日、現在進行中の米韓軍事演習が“特別の任務”を帯びて北朝鮮を標的とした“先制攻撃”を仕掛ける訓練を継続するならば、北朝鮮人民軍は、事前通告なしに猛烈な破壊攻撃に打って出るだろうと報道。
●今回の北朝鮮の挑発は、現在大規模で進められている米韓合同軍事演習が、北朝鮮からも視界に入る場所で展開されていることにイラついたものと推測され、いよいよ一触即発の恐れ。」
同日付韓国
『KBSニュース』:「北朝鮮、米韓軍事演習に対抗して先制攻撃を仕掛けると脅し」
「●今回の米韓合同軍事演習には、過激派組織アル・カイーダ首領のオサマ・ビン・ラディンを殺害した米海軍特殊部隊SEALのチーム6(編注;対テロ特殊部隊)が参画していることから、北朝鮮側は、金正恩(キム・ジョンウン)委員長を標的にしている訓練をしているとして猛反発。
●北朝鮮による先制攻撃を仕掛けるとの脅しに対して、米韓統合参謀本部の韓国軍司令官は、かかる挑発には断固たる報復を以て臨むことになり、結果として北朝鮮の崩壊に繋がるだけだとの声明を発表。」
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