【Globali】
OPECなど産油国、減産延長へ前進(2017/04/21)
サウジアラビアのファリハ石油相は4月20日、今年の1月から開始したOPEC並びに主要非OPEC産油国による協調減産の延長合意で前進していると語った。原油価格は減産発効後ニューヨークのWTI(ウェスタン・テキサス・インターミディエート)で見て概ね1バレル50ドル以上を維持して来ているが、在庫は引き続き高水準であり、価格安定化のためには減産延長が必要だとの考えに対し、多くの産油国の間で合意が形成されて来ている。
4月20日付
『ヤフーニューズ』(AP通信引用)は、「サウジ石油相、減産延長必要と語る」という見出しで、サウジアラビアの石油相が木曜日石油価格維持のためにOPEC及び非OPEC産油国で合意した減産の継続が必要のようだと語ったと伝えた。サウジアラビアは世界最大級の産油国であり、ファリハ石油相の発言は極めて重みを持つが、米国のシェールオイルの生産増で石油価格の50ドル割れの恐れが出ている中での発言であった。...
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4月20日付
『ヤフーニューズ』(AP通信引用)は、「サウジ石油相、減産延長必要と語る」という見出しで、サウジアラビアの石油相が木曜日石油価格維持のためにOPEC及び非OPEC産油国で合意した減産の継続が必要のようだと語ったと伝えた。サウジアラビアは世界最大級の産油国であり、ファリハ石油相の発言は極めて重みを持つが、米国のシェールオイルの生産増で石油価格の50ドル割れの恐れが出ている中での発言であった。発言はアラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビでの石油関係会議の講演でなされたが、ファリハ石油相は「減産延長合意は飽くまで初期段階でありすべての減産参加国の意向が確認されたわけではない」と語った。OPECは昨年11月、2008年以来となる6ヶ月間の日量120万バレルの減産に合意し、12月にはロシアを含む非OPECの十数ヶ国が更に日量558,000バレルの減産に合意した。しかし、米トランプ大統領は米国産油の増産を謳い、世界景気が低迷していること、イランが経済制裁解除後増産を目指していることなど今後の原油価格安定には不安定要素もあると報じている。
4月20日付
『ブルームバーグビジネス』は、「OPEC減産後、在庫水準は意外にも増加」という見出しで、来月OPECとロシアが原油減産の効果を確かめるために会議を開催するが、そこでは在庫水準が減産開始時期よりも増加していることに驚くであろうと報じた。在庫水準は現在低下傾向にはあるが、国際エネルギー機関(IEA)のOECD諸国の在庫データによれば、先進国の石油消費は減産が発効する直前のOPEC増産により急増した在庫水準を元に戻すほど進んでいない。OPEC及び非OPECのロシア他10ヶ国間で合意した減産は、過去5年の平均レベルより3百万バレルほど多い過剰在庫を削減して価格を引き上げようとしたものであったが、在庫に関しては目標を達成していない。ブルームバーグの試算では、6月には昨年12月の在庫水準とほぼトントンのレベルになるが、過去5年の平均水準よりは未だ2百万バレルほど高いレベルにある。これは飽くまでも試算であり実際の在庫はもっと減っているかもしれないし、OECD諸国以外の大消費国である中国、インドの在庫水準は発表されていないので、状況は変わるかも知れない。OPECが減産を延長すれば、在庫の削減は更に進むかも知れないとアナリストは語っていると報じている。
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