4月22日付
『ブルームバーグ』オンラインニュースは、ホンダが間もなく、カナダにEV新工場建設について同国政府と合意に達する見込みだと報じた。
『日本経済新聞』は今年1月初め、ホンダがカナダ・オンタリオ州にEV新工場建設のために140億ドル(約2兆1,600億円)を投じることを検討していると報じた。
その時点で同社は、まだ何も決まっていないとコメントしていた。
しかし、『ブルームバーグ』が事情通から匿名を条件に聴取したところでは、同社とカナダ政府が恐らく1週間以内に合意に達し、公に発表される見込みだとする。...
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4月22日付
『ブルームバーグ』オンラインニュースは、ホンダが間もなく、カナダにEV新工場建設について同国政府と合意に達する見込みだと報じた。
『日本経済新聞』は今年1月初め、ホンダがカナダ・オンタリオ州にEV新工場建設のために140億ドル(約2兆1,600億円)を投じることを検討していると報じた。
その時点で同社は、まだ何も決まっていないとコメントしていた。
しかし、『ブルームバーグ』が事情通から匿名を条件に聴取したところでは、同社とカナダ政府が恐らく1週間以内に合意に達し、公に発表される見込みだとする。
当該情報によると、正極活物質(注1後記)の加工と車載バッテリーの製造、EVの組み立てを行う新たな設備を建設するに当たって、ホンダが数十億ドル(数千億円)相当の投資を行うことをコミットするという。
ホンダの決定に当たっては、カナダ政府が同社に資本コストの一部を補填する、具体的には投資税額控除(ITC、注2後記)を認めるとする。
新工場建設地は、オンタリオ州南部のトロント郊外で、ホンダは同工場を北米市場向けのEV生産拠点とする意向である。
カナダ政府高官によると、ホンダとの交渉の結果、カナダにおけるEVサプライチェインに関わるエコシステム(特定の業界全体の収益構造)が構築され、それが他の大手自動車メーカーのカナダへの投資を呼び込む結果となることを期待しており、それによってカナダ政府独自のITCシステムの発展が可能となるとする。
先週、クリスティア・フリーランド財務相(55歳、2020年就任)が公表した政府予算案には、自動車メーカーのEVサプライチェインの主要部分がカナダ内で賄われる場合、同メーカーの当該設備建設費用の10%について税額控除を行うとの政策が盛り込まれていた。
ホンダ案件の事情通によると、同相は政府・ホンダ間交渉に深く関わっていて、上記の新EV税額控除案がホンダの決断の後押しとなったという。
(注1)正極活物質:電池の活物質で正極に用いられる物質で電池の酸化剤。固体の活物質が多いが、空気亜鉛電池のように気体の活物質や、リチウム・塩化チオニル電池のように液体の活物質も使われる。
(注2)ITC:民間企業の設備投資意欲を盛り上げるための税制措置で、新規投資額の一定割合を税額控除として認めるもの。カナダの他、米・ドイツ・スウェーデン等欧米諸国では一般的な政策。
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